【ゴルフせんとや生まれけむ】金村 曉<後編>「ドライバーを折って“ゴルフの神様”に謝罪」
ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、 前回に引き続き、野球解説者の金村曉氏。
ボクは現役を引退してから4年間、北海道で野球評論家の仕事をしていました。実はそのとき、ゴルフダイジェストオンライン(GDO)さんからお話をいただき、「元北海道日本ハムファイターズ 金村曉氏からの挑戦状」という企画を作ってもらったことがあります。
どういう企画かといいますと、ボクが北海道のいろんなゴルフ場をラウンドし、そのスコアをGDOさんのホームページに掲載します。利用者の方はプレーフィーにプラス1000円を払うとボクのスコアにチャレンジすることができ、ボクのスコアに勝つと“豪華賞品”が当たるという企画です。その期間は春から秋にかけて月4回くらいのペースでラウンドさせてもらいました。この時期にメキメキと上達しまして、ベストスコアの79が出たのもこのころ。何もかもがうまくいった一日で、70台が出たのは後にも先にもその1回きりなのですが、なんとコース名は思い出せないんです(笑)。
2016年から投手コーチとして(阪神)タイガースに。キャンプの休みの日には金本(知憲)監督がゴルフに連れて行ってくれました。沖縄でキャンプをしていましたから、女子ツアー開幕戦のダイキンオーキッドレディス開催コース(琉球ゴルフ俱楽部)をトーナメント開催前にいつも回らせてもらっていました。あるときコーチのコンペがあり、そのときもドライバーが全然曲がらなくて82が出て、ベスグロを取ったことがありました。ドライバーさえ何とかなれば、あとは何とかなるのがボクのゴルフです。
ただ、コーチ5年目の20年から新型コロナウイルス感染防止のためゴルフが禁止になりました。22年になってからようやく、キャンプの休みの日に許可が出たときだけラウンドできるようになりました。ですから22年2月のゴルフは久しぶりのラウンドでした。そのとき矢野(燿大)監督と一緒に回っていたんですけど、ティーショットでとんでもないOBを打ち、そのはずみでドライバーのヘッドを地面に「トン」とついた瞬間、シャフトが「ボキッ」と折れたんですよ。しばらく使っていなかったからクラブが劣化していたんでしょうね。あのときはさすがにゴルフの神様に謝りました。ラウンドの途中で折れてしまったので、その後のティーショットは監督のドライバーを借りて打ちました。そうしたらとんでもなくいいボールが出て「やっぱりクラブは大事だな」と思いましたね。
ボクはクラブに対して無頓着で、ドライバーは20年くらい前の「バーナー」をずっと使い続けていました。でも23年から関西で野球解説者の仕事をさせていただくことになり、そのテレビ局はゴルフ番組が多いので「ゴルフ番組にも出てください」と言われています。ゴルフ番組に出演するのにクラブが古すぎるのもどうかと思ったので、人生で初めてドライバーのフィッティングに行きました。そのドライバーでティーショットを安定させ、コンスタントに80台で回るのが今の目標です。80台後半で全然構わないので、何とか実現したいですね。
金村曉
かねむら・さとる。1976年宮城県生まれ。94年ドラフト1位で日本ハムに入団。97年から一軍に定着し、98年に最優秀防御率のタイトルを獲得。07年オフにトレードで阪神に移籍。11年現役引退。16~22年阪神投手コーチ。23年は野球解説者として活動
週刊ゴルフダイジェスト2023年4月4日号より