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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.123「知識は身を助ける」

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

PHOTO/Yoshikazu Watabe

前回のお話はこちら

ゴルファーは腰痛持ちが多いので、今回も腰痛の話をします。

スウィングが悪かったんか、ゴッツ練習しすぎたんか、はたまた腰が痛いからこんなスウィングになったんかわからんけど、腰痛には悩まされてきました。針治療だけでも大金を使ってます。

これまでに行った病院や治療院は約50軒ですが、その多くが下した診断はヘルニアか筋肉疲労でした。もう“やかましいわ”という話です。そう診断されても治らんから50軒も病院に通ってるんやないかと言いたくなるわけです。


腰痛持ちのゴルファーの皆さんならわかると思いますが、歩くときに痛いので、痛ならんように腰を曲げますよね。その状態で病院や接骨院に行くと「奥田さん、腰が曲がってますね。それが腰痛の原因です。普段から背筋を真っすぐにしましょう」と言われます。

そうなったらコッチは「違いますって。僕は痛いから腰曲げてるんです」と、もう喧嘩ですわ。お互いが考えてる原因と結果が逆転しとるわけですからそうなりますよね。

それでも治療を受けて、その場では腰が真っすぐになるんだけれど、次の日はまた痛いから腰は曲がります。それでまた真っすぐにする。これじゃ毎日通わないかんわけで、冗談じゃないです。

決定的だったんは某クリニックでの手術です。後でわかったのですが、そのときの僕は、先ほど言ったようにゴッツ練習をしたからか、椎間板が擦り減った状態だったんです。しかしそのときの医者は、既に擦り減っているその椎間板をレーザーで焼く手術をしたのでたまったもんじゃない。それで余計に酷くなってしまったんです。

この長年の腰痛治療を通して、世の中には“やぶ医者”がおるということがよくわかりましたから、腰痛に関することをかなり勉強しました。今ではそこそこわかるという医者よりも腰痛に関する知識を有するようになってます。

“生兵法は大怪我のもと”とか言いますが、それは違います。本当によい先生に当たるのに僕は50軒要ったけど、自分に知識がなかったらどれが自分に合う名医かもわからんと、いつまでも医者巡りを繰り返すことになってたと思います。

「自分の体のことですから!」

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2023年4月4日号より