「左打ちがこれほど肩身が狭いものだとは…」“レフティ”に関するアンケート結果#1【ニッポンゴルフ実態調査】
日本のゴルファーの実態や実情をアンケート調査によって明らかにする「ニッポンゴルフ実態調査」。今回は、先日行ったアンケートをもとに、「レフティ」の実態やリアルな声をお届けする。
日本では10人に1人と言われる「左利き」。しかしゴルフでは、そこまでの割合でレフティのゴルファーと遭遇することはない。とはいえ全然いないわけではなく、私の身の回りでもレフティは4人いる。
日常生活でも、左利きだと何かと不便は多いと聞くが、それはゴルフにおいてもしかり。ただ、実際どんなことに困っていて、どのような思いをしているのかは、右打ちのゴルファーにはうかがい知ることができない。
そこで今回は、「Myゴルフダイジェスト」ウェブ上およびメルマガ会員を対象に、レフティに関するアンケート調査を実施。すると、レフティが胸の内に秘めてきた鬱憤が爆発したかのように、多くのメッセージが寄せられた。
まずは、レフティのゴルファーがどんな悩みを持っているかを聞いてみた。
Q. 左打ちで不便に感じることは?(複数回答可)
この問いは、3つの項目に回答が集中した。なかでも最も多かったのが「左用のクラブが少ない」こと(86.3%)。野球のバットのように、右でも左でも同じ形状のものであれば問題ないが、ゴルフクラブは右と左は正反対の形状となる。メーカーとしては、すべてのモデルにおいて左用もラインナップしておくことは難しいため、レフティはどうしてもクラブの選択肢は少なくなってしまう。
それと関連して、「店頭で試打できるクラブが少ない」という回答も74.4%あった。たとえ左用がカタログにラインナップされていたとしても、ショップでそれが試打できるとは限らない。右利きのゴルファーは当たり前のように、ショップで試打を重ね、自分に合ったモデルを熟考することができるが、左利きのゴルファーは、気になるモデルが複数あっても、試打せずに選ばざるを得ないケースが多々あるというわけだ。
そしてもうひとつ、大多数の人が挙げたのが「練習場の打席が少ない」こと(83.8%)。これも致し方ないことではあるが、多くの練習場では、左用の打席は、広いレンジの端っこに、申しわけ程度に数打席設定されているのみ。真ん中の打席から気持ちよく打ち放つことは、レフティゴルファーにとって憧れともいえる稀有な体験なのだ。
ほかの意見としては、「グローブの選択肢が少ない」(31.6%)、「本や動画のレッスンが右打ちの人向けのものしかない」(23.1%)など。グリーン上で「フックライン」と言われると、どっちに曲がるか分からないという意見もあった。
Q. 右打ちに転向しなかった理由は?(複数回答可)
こうした左打ちの不便な点は、ある程度は予想がつくもの。実際、左利きでもゴルフは右打ちにしているという人も少なくないが、現在レフティを貫いている人は、なぜ右打ちに転向しなかったのか。
一番多かった答えが「他のスポーツもすべて左だから」(57.3%)。次いで「右だと上手く打てる気がしなかった」(43.6%)、「右打ちだと飛距離が出ない」(18.8%)という答えが多かった。たしかに、逆で考えると、右利きの我々が、新たにスポーツを始める際にレフティを選択するかといえば、答えは否だろう。野球のバッティングのように、左打ちのほうが一塁ベースに近いから優利、というような場合を除けば、あえて習得に時間がかかりそうなレフティを選択しようとは思わないはずだ。
なかには、「右で始めたが上手くいかなかった」という人も。周りから右にしたほうがいいと勧められて右のクラブで練習を始めたはいいものの、思うように打てなかったり、飛ばなかったり、スコアが伸びなかったりして、結局左に戻したという人も一定数いるようだ。
少数派の意見としては、「左利きがゴルフにおいて肩身の狭いものとは知らなかった」という回答も。たしかに初めはそこまで気にならなくても、ある程度やっていくなかで、欲しいクラブが出てきたときに、左用のラインナップがなくて愕然とする、というようなこともあるのだろう。
レフティアンケートの結果は、まだまだ到底語り尽くせないので、続きは稿を改めることにする。
>>NEXT QUESTIONS
●左打ちで困ったエピソードを教えて下さい
●左打ちで良かったと思うことは?
●生まれ変わっても左打ちがいい?
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- 日本のゴルファーの実態や実情をアンケート調査によって明らかにする「ニッポンゴルフ実態調査」。今回は、前回に続き「レフティ」の実態やリアルな声をお届けする。 前回は、レフティゴルファーを対象としたアンケートをもとに、左打ちで不便に感じること、そしてそうした不便があるにもかかわらず、右打ちに転向しなかった理由についての回答結果を記した。 ……
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