【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.119「薄芝のアプローチ、パターでごまかしてたらいつまで経っても“ゴルフ力”が上がりませんよ」
高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。
PHOTO/Hiroshi Yatabe
前にこの連載で、冬の枯れた芝から打つアイアンショットは夏場の3倍の精度が要求されるので、ショットの上達には絶好機であるいう話をしました。
ボールの赤道より上を打つ意識でも、スウィングがちゃんと振り子運動になっておればトップはしないから、冬場にそういったアイアンの打ち方を覚えればショットは格段によくなります。
実際、冬は間違いなく「ゴルフ力」を向上させてくれるし、アプローチも冬のラウンドで格段に上手なります。
冬場のアプローチは芝が薄いから上げるのは難しい思うて、多くの方はグリーン周りからパターでいきがちやけど、僕から言わせればパターは失格やね。
プロでもアマでも普段のラウンドは、ゴルフ力をつけるためにやっているわけじゃないですか。それなのに、お金を払ってゴルフ場に行って、逃げているんです。
これってトレーニングジムに行ってジャージーに着替えて帰ってくるようなもんで、これじゃいつまでたってもゴルフ力は上がらんのです。
これから先、芝が未だ生えそろわん春先くらいまでの間が、グリーン周りでパターを使うことが最も多い時期やと思うので、そこはもう、5センチでも乗らんかったらパターやなく58度とかのウェッジで寄せてみる、そうやってやっていくと自分の意識改革に繋がっていきますからね。
そうしたら少々のことは怖くなくなっていくんです。そのときにチャックリしてダブルボギーになってもええやないですか。ラウンド数が少ないアマチュアの人にとって、そんな状況こそゴルフ力をつけるええ機会やと考えるべきです。
もちろんピッチ&ランとかランニングのほうが寄せやすい場合は、52度とかで転がしを入れていくとかね。ウェッジやなくても8番や9番でもええですから、パターでごまかすいうことはやめたほうがいい。そうしたらね、ちょっとずつでも上手くなります。
その日のスコアにこだわって逃げてばかりいて「ゴルフ力」が全然上がってこんいう人が多いです。そういう人はゴルフ場やなしに、シミュレーションゴルフでもしてたらええんちゃいますか。
「冬のグリーン周りは『ゴルフ力』アップの絶好の機会です」
奥田靖己
おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する
週刊ゴルフダイジェスト2023年3月7・14日合併号より
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