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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.112 「新年は“5本ラウンド”に挑戦してみてください」

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

PHOTO/Hiroshi Yatabe

前回のお話はこちら

数人で回るゴルフでは、全体のリズムをよくして回るいうことが大事です。

僕なんかは、データ重視で全て定規で測ったほうがええと考えて回る人とは回りにくい。もちろん、勝負どころくらいは時間かけてもええですよ。でも、自動車の流れと一緒で、周りの車が60キロで走っとったら60キロで走らなあかんのです。40キロでトロトロ走っとったら渋滞を引き起こすことになる。

スロープレーの原因はいろいろありますが、やはりクラブ選択に迷うことが一番や思います。

そこで、新年を迎えるにあたって一つ提案ですが、皆さん、新年は14本あるなかからクラブを何本か抜いてプレーをしてみてください。そうすれば、クラブ選択に迷うことも少なくなるし、そのクラブで何とかせなあかん思うていろいろ工夫をして打つから、必ず上手くなります。


初心者の頃にハーフセットの7本は経験した人もおるやろうから、まず5本でやってみましょか。

計算通りにいかないのがゴルフで、それを知るためにわざと”不”自由な状態にするわけです。ですから、7本では事足りてしまうので5本以下から始めてみて、最終的にはドライバーとパターを入れて3本でやってみることを目標にします。

残りの1本は、僕やったら6番アイアンでいきますけど、これは、7、8でも5UTでもええです。

この3本でどうやって回るかですが、350ヤード・パー4のホールで、セカンドを6番アイアンのフルショットで打てるようにドライバーをコントロールして打つ、なんていうもくろみはあきません。

場面、場面で自分がどうやってクラブの機能を引き出して対処していくかがこのラウンドの目的なんやから、ドライバーは少しでも前に飛ばす。

そして、セカンドがラフからの80ヤードのバンカー越えになったらどうするかですわ。これをバンカー避けて花道にチョンと出してそこから寄せワンでパーを取って喜ぶ人がおる。違うって。これを6番でフワッと止まる球を打つんです。失敗してもええから6番のフェースを開いて加減せんとバーンと狙う。

そうやって”不”自由な状態から解放されていくことによって、ゴルフはどんどん上手くなるはずです。

一度、クラブの本数を減らしてプレーしてみてはいかがだろうか。「いろいろ工夫するから、上手くなるんです」

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2023年1月10・17日合併号より