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「手引きでセルフ」馬場咲希がキャディをつけない理由は“お金がもったいない”から?【アジアパシフィック女子アマ】

速報
2022.11.03

タイのサイアムCCウォーターサイドコースで11/3に開幕するアジアパシフィック女子アマチュア選手権に、全米女子アマ覇者の馬場咲希が出場。前日の練習ラウンドの様子をお届け!

東南アジア特有のじめじめとした暑さはなりをひそめ、カラッとした気持ちのいい気候。サイアムCCウォーターサイドコースの支配人によると、現地パタヤでは長い梅雨が明け、ゴルフのベストシーズンが到来したという。

タイのゴルフ事情に詳しい井上星一郎プロに聞いた話では、タイの国内ツアーは11月でシーズンが終わる。これからがベストシーズンなのになぜ? というと、11月~2月は一般ゴルファーの利用を優先するため。プロの試合を開催するとなると、最低1週間は一般営業を止めなければならないので、書き入れ時のコースにとっては痛手となる。観光立国ならではの考え方だろう。

そんな気持ちの良い気候のなか行われた開幕前日の練習ラウンドでは、日本勢の6人が2組に分かれてコースの最終チェックを行った。不思議なことに、前の組の3人は、全員が黄色い服のハウスキャディがついていたのだが、後ろの組の3人は手引きカートで自分でキャディバッグを運んでいる。これは何かの罰ゲーム? 馬場咲希選手に話を聞くと、「父は(キャディを)つけたほうがいいって言ったんですけど、お金ももったいないですし、別にいいかなって」。なんとも馬場選手らしい答え。

ここウォータサイドは、その名の通り大きな池(小さな湖?)を囲むように作られたコース。高低差はないが、随所にからむ池と、グリーンのアンジュレーション&微妙な目がプレーヤーを悩ませる。平均10.7フィートというスピードもあるが「どう打っても寄らないような位置にピンが切ってあるホールもある」と馬場選手が言うように、グリーンの攻略がカギを握りそうだ。

そしてもうひとつの難敵が“風”で、馬場選手は「日本の河川敷のよう」と表現。とくに午後は風が強まるようで、この日は弱いほうといいながらも、大きな木がわっさわっさと揺れていた。風対策は「ドライバーは(スピンの少ない)強い球を打つようにしています。ただアイアンは、練習時間もあまり取れていないので(低い球を打ったりするのは)難しい。シンプルに番手を上げて対応します」(馬場)

馬場がキーホールと語る17番パー4。ティーショットの精度とアゲンストのなか狙っていくセカンドの距離感がカギとなる

プレー以外の面で、馬場選手にとって大きな課題のひとつは英語。今回、出場選手中もっとも世界アマチュアランクが上位(4位)の馬場は、練習ラウンド後の記者会見で注目選手の1人として登壇。海外メディアからの質問に韓国、タイの選手が頑張って英語で答えるなか、馬場選手がかろうじて発することができた単語は「セブンティーン」と「ネリー・コルダ」の2つ。前者はカギとなるホール、後者は憧れの選手を問われての回答だ。

それでも、誰に対しても等身大の自分を包み隠さず語ってくれる人柄と屈託のない笑顔で、会場の空気を和ませてしまうところに、プレーだけでない非凡さを感じさせる。

微笑みの国・タイで、どんな戦いぶりを見せてくれるのか。17歳のさらなる進化に期待したい。

憧れのネリー・コルダへの思いを語り会場を和ませる馬場