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【ギアプロファイリング】大慣性モーメントなのに、つかまり抜群! ヤマハ「インプレス ドライブスター」

右へのミスを減らしたい、セカンドオナーを卒業したい……。そんな悩めるゴルファーに強い味方となるのが、「ドローバイアス」設計をはじめとする“やさしくつかまる”ドライバー。そこで最新4モデルをヘッドスピード40~42m/sで打ち比べ、その実力を検証。1モデル目は、ヤマハの「インプレス ドライブスター」を取り上げる。

PHOTO/Tomoya Nomura、Akira Kato THANKS/GOLF PLACE

試打&解説/勝又崇之

専修大学卒業後の08年プロテストで木下裕太、片岡大育らを抑えトップ合格。自らの試打データを弾道計測器並みの正確さで予測できる。現在は「GOLF PLACE」でレッスンを行う

試打&解説/山崎康寛

ツアープロや競技アマから絶大な信頼を受けるカリスマクラフトマン。練馬区上石神井で今年6月からインドアゴルフスクール&練習場「GOLF PLACE」を主宰。ショップ&工房も併設

ヤマハ
インプレス ドライブスター

●ロフト角/9.5度、10.5度、11.5度 ●シャフト/SPEEDER NX for Yamaha M423d(S、SR、R) ●長さ/45.5インチ ●重さ/279g(SPEEDER NX for Yamaha M423d・R)

[試打スペック]
10.5度、SPEEDER NX for Yamaha M423d(R)

「これまでの『インプレスUD+2』ドライバーは、フェースのトップラインがシャフトの中心軸方向にオフセットされた、いわゆる“グース”気味で、投影面積も大きく、好みが分かれました。今回は、いい意味で普通の顔で、構えただけでは“つかまる”要素は感じられません」と勝又プロ。打ってみると、まずその打球音にびっくり。

「最近、少なくなってきた、弾き感のある金属音。この音だけで飛んでる気にさせてくれます。そして、普通に打っても球がつかまる。Rシャフトは特に、インパクト時にヘッドが返ってくる感じがあります」(勝又)

「一般的に重心距離を短くすれば、ヘッドは返りやすくなり、つかまりがよくなります。ところが、この『インプレス ドライブスター』は、明らかに重心距離は長めに設定され、慣性モーメントも大きく、ヘッドがターンしにくい要素を持っています」と山崎クラフトマン。「しかし、3つのウェイトを上手く配置することで、“大慣性モーメント”と“ヘッドの返りやすさ”という相反する要素を両立させています。自分がつかまりと飛距離を求めるプロにチューンするときの鉛の配置に似ているので驚きました」(山崎)

やさしいのに“いい顔”

「やさしい大慣性モーメントのドライバーは、ヘッド後方が長くて投影面積が大きい面長なモデルも多いが、これは本当にオーソドックスなヘッド形状。フェースアングルもスクエアで、構えたときにフェース面が見えるので、球が上がりやすいイメージが湧きます」(勝又)

3つのウェイトでつかまえる

重心点を中心に、約25gのウェイトをトゥ、バック、ヒール3点に最適に配置。これによりルール限界クラスの大慣性モーメントを実現。「インパクトの瞬間にヘッドはボールの衝撃を受けてフェースが開こうとしますが、ウェイトの効果なのでしょう。秒間1500コマの高速度カメラでインパクト時のヘッドの動きを見ても開くどころか、むしろヘッドが返ってくるような動きが見られました」(山崎)

最も飛ぶ打点で打てる

多くのゴルファーはドライバーの「ヘッドの高さの中央」と認識した部分で打つ傾向があることに着目。正面から見ると盛り上がったようなクラウン形状にすることで、最も飛ぶ「フェース中心やや上部」で打てるように設計

「BOOSTBOX」で初速アップ

ヘッド内部のフェース周辺をぐるりと取り囲むように配された梯子状の構造「BOOSTBOX」。インパクト時の無駄な振動を抑え、エネルギーを最大限、初速に変換する

「クラブを平らな机などに置き、ヘッドを垂らすようにすると重心角が測れますが、この時、シャフト中心からの垂線よりややヘッド後方寄りにウェイトが来ていることがわかります。チューンナップでも、この位置に鉛を貼るとつかまりがよくなり飛距離も伸びるんです」(山崎)

週刊ゴルフダイジェスト2022年11月8日号より