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【日本オープン】「観客を沸かせたかった」蟬川泰果が95年ぶりのアマチュア優勝!

<日本オープンゴルフ選手権/三甲GC ジャパンC(兵庫)/7178Y・パー70/10月20日〜23日>
PHOTO/Tadashi Anezaki

第87回日本オープンゴルフ選手権(三甲ゴルフ倶楽部ジャパンコース)で、今月初旬に世界アマチュアランキング1位となった蟬川泰果(東北福祉大4年)が完全優勝。1927年の第1回大会での赤星六郎以来のアマチュア優勝という偉業を達成した。

9月のパナソニックオープンに続く、史上初のアマチュアによるツアー2勝目。「勝つことを目標にして勝ち切れたのは嬉しいです」。地元兵庫での開催にどんどん増えるギャラリー。「がんばれー!」の声援を浴びながら戦った

攻めて、魅せて、歴史は動いた

そのとき歴史が動いた。

プロが口をそろえて「難しい、やっぱりメジャー」というタフなセッティングのなか、初日からスコアボードを賑わせたのはアマチュアたちだった。

そのなかで初日に64のビッグスコアで飛び出した蟬川。「やるからには負けたくないという気持ちが人一倍強い、同じ名前のタイガにも負けたくないんですけど、誰にも負けたくないですね」。2日目も70でまとめ、「本当にバーディを取ることしか考えてないです」

大会中ずっと、ポジティブな言葉を発し続けた。

3日目の9番・パー4は、今の蟬川のすべてが詰まっていた。前方のティーを使ってワンオンも狙える319ヤードのパー4で、同組の後輩アマ、杉浦悠太(日大3年)に「なんだ、狙わないのか」と冗談めかした言葉をかけた後、蟬川は迷わず3Wを握った。「本当に興奮しました」と本人が振り返るショットは見事グリーンオン。そして8〜9メートルのロングパットをねじ込み、タイガーばりのガッツポーズを見せた。

3日目、9番・パー4・319Y。「アドレナリンが出た」というティーショット。「せっかくだったら見ている人を沸かせたい。3Wを持って思い切り振り切りました。本当に興奮しましたね」。この後、8〜9メートルのパットを沈めてイーグル奪取。ここから波に乗っていった

迎えた最終日。「GO! たいが!」というギャラリーの声援を浴びながら6打差首位でスタート。1番、2番で連続バーディも9番でアプローチミスからのトリプルボギーを打ち、現在日本の賞金ランクトップ、2位の比嘉一貴との差が4打に。その後我慢のゴルフが続く。18番を迎え比嘉とは2打差。しかし、最後のティーショットも一番自信があるドライバーを「振り切って」フェアウェイど真ん中に。カラーからのパットを入れてパーとし、蟬川は「歴史」となった。

「あれだけギャラリーが増えていくなかで、面白くないプレーはしたくなかった。1打でもアマチュアの方が打てないようなパッティングだったりショットをしていくことが、自分自身もすごく楽しい」

30歳までは主戦場を日本に、という蟬川。

「賞金王を取り続けたいですし、男子ツアーの起爆剤になりたい。アマチュアなのにおこがましいですけど、サッカーや野球に追いつくくらい盛り上げたいです」

蟬川泰果、その名の由来、タイガー・ウッズに届くポテンシャルを持つ21歳。今後も大注目だ。

ガッツポーズもタイガーみたい!

「松山さんでもアマチュアで2勝はしていない。『自分、やるな』と思いました(笑)」

<最終成績>

優勝蟬川泰果〈アマ〉-10
2位比嘉一貴-8
3位T長野泰雅-4
3位T杉浦悠太〈アマ〉-4
5位金谷拓実-1
6位T嘉数光倫+2
6位TA・スコット+2
6位TC・キム+2

週刊ゴルフダイジェスト2022年11月8日号より

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