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LIVへの流出に待った! タイガー・ウッズのリーダーシップ

年間王者を決める「ツアー選手権」の開幕前日、ジェイ・モナハンPGAツアーコミッショナーが、LIVゴルフへの選手流出を食い止めるための“前例を見ない”施策を発表したが、その裏でタイガー・ウッズが動いていたことをご存じだろうか。

施策の目玉は、特定の大会について賞金を大幅にアップするとともに、プレーヤー・インパクト・プログラムの対象を10人から20人に増やし、ボーナスは1億ドルに倍増。一方、ツアーメンバー全員に対する最低収入(50万ドル)を保障するというもの。

実はこの1週間ほど前、タイガーはトップ選手がツアーに残りたいと思うような新プログラムの導入を視野に、彼を慕う若手を集め話し合いを行っていた。会議に集まったのは15名。彼らは“ツアー内ツアー”の必要性を確認し合い、上位選手のみが出場する高額賞金の大会を開催すべきだとした。しかしそうなれば、そこから漏れた選手は低い賞金を競う大会にしか出られず、ツアー内の格差が広がりかねないため、200人程度の選手たちに対し、賞金とは別に50万ドルを支給する案までまとめていた。

また、PGAツアーが強化施策を発表した同日、タイガーとR・マキロイが共同で創設した「TMRWスポーツ」がPGAツアーと提携し、テクノロジーを駆使した新たなゴルフリーグを創設すると発表。ショットはシミュレーターで、ショートゲームやパッティングは実際の特設会場で行われる同リーグは月曜夜に放映され、「新世代のファン獲得を目指す」とタイガー。

実は7月にアイルランドで開催されたプロアマ大会へ出場した際にもタイガー主導の会議が行われている。そのなかでタイガーとマキロイはPGAツアーが現状の非営利団体の地位を放棄し、営利団体になることを支持。その場合、税金は倍増するが、運営に自由度が増すと説明している。TMRW設立はPGAツアーとの現実的な落としどころということだろう。

“影のコミッショナー”を自負するタイガーの実力は?

PGAツアーの救世主となるか(PHOTO/Blue Sky Photos)

週刊ゴルフダイジェスト2022年9月13日号より