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【読者記者】No.1782「50ヤードぐらいのアプローチがダフり気味で思ったように寄りません」

読者が自身の悩みを解決する方法について、直接プロに取材する「読者記者」。今回のお悩みは「50Yぐらいのアプローチが寄らない」というもの。果たして解決方法は?

PHOTO/Yasuo Masuda TEXT/Daisei Sugawara THANKS/八王子ニューゴルフ

読者記者No.1782 都成圭さん

●59歳 ●自営業 ●ゴルフ歴/30年 ●ベストスコア/71 ●平均スコア/82 ●173㎝・78㎏ ●ドライバー飛距離/250ヤード

先生/井上靖

71年生まれ、神奈川県出身。本能的で体にやさしいスウィングを追求。「相模川ゴルフガーデン」、「八王子ニューゴルフ」などで、プロからアマチュアまで幅広く指導している

都さんのお悩み
「50ヤードくらいの距離感が合わない」


あるときから50ヤードくらいのアプローチに苦手意識が出てしまい、ダフリ気味に入って寄らないことが多くなりました。今は、クラブを短く持って何とかごまかしている状態なんです。


アドレスで意識的に重心を落とし、ひざや手首のやわらかい動きで距離感を出そうとしているのがわかる。ただ、このやり方だと1球ごとのばらつきが大きい

都 50ヤードくらいが思ったように寄りません。

井上 アドレスで、ちょっとひざが曲がりすぎているのが気になります。ひざを曲げて重心を下げると、ハンドダウンになってボールから遠くなりますよね。アプローチの場合は、逆にハンドアップにしてボールに近づくほうが、打球のコントロールはしやすくなります。それと、テークバックをややインに引きすぎているので、クラブが自然な振り子の動きになっていません。

都 振り子の動きに近づけたほうがいいんですか?

井上 アプローチは等速の振り子運動で打つのが基本で、それを確立してから振り幅の大きさで距離を打ち分けていきます。打つたびに振るスピードが変わってしまうと、振り幅が飛距離の基準にならなくなるので、距離感が難しくなるんです。等速振り子で、まずは3パターンくらい振り幅のバリエーションを作っておくと、50ヤードくらいの距離にも対応しやすくなりますよ。

<問題点1>
アドレスでひざを曲げすぎている

アドレスでひざを曲げるほど、手元の位置も下がってハンドダウンになり、その分、ボールから離れる必要が出てくる

<問題点2>
テークバックをインに引きすぎる

クラブをインに引くとイン‐イン軌道が強くなり、クラブの自然な振り子運動が妨げられ、振る速度にばらつきが出る

記者「重心を低くしたいんです」
プロ「ひざを曲げすぎると操作性が下がります」

対処法1
重心を高くしてボールに近づく

短い距離をコントロールするなら、できるだけボールに近づいて立つほうがいい。アドレスではひざを曲げすぎず、腰の位置を高く保つことで、ハンドアップに構えることができ、ボールとの距離も近くなる

対処法2
アドレスで少し胸を開いておく

アプローチでは胸の面に対してヘッドを平行に動かすのが基本。最初に少し胸を開いておくと、ヘッドはやや外に上がる

Drill
グリップエンドをつまんで自然に振り子運動させる

クラブを指でつまんでブラブラと振り子運動をさせる。このときのスピードを覚えておき、同じスピードでスウィングするように意識すると、インパクトでパンチが入ったりせず、常に一定のスピードで当てられる

Point
リリースでは両ひじを伸ばす

振り子の動きを再現するには、フォロー側でスピードがゆるまないことが大事。腕を脱力して振ると、クラブの重さと遠心力でひじが伸び、フォローが出やすい

まず3段階の振り幅を覚える

スピードを一定にして振り幅を変え、自分なりの「距離のものさし」を作る。まずは3パターンくらいあると、ほとんどのアプローチに対応できるようになる

<取材後記>
距離感はシステムというのがわかった
今までは、手先の「感覚」で距離感を出していましたが、等速振り子と振り幅のシステムで距離感を作るほうが簡単なのが実感できました。苦手意識を克服できそうです。

月刊ゴルフダイジェスト2022年8月号より