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【ゴルフ初物語】Vol.89 日本では2011年に古賀GCで採用。近年注目のバミューダ芝「ミニバーディ」って?

近年の異常気象ともいえる夏の気候変動。気温は40度近くまで上がり、度重なる豪雨がコースを襲う。夏に寒地型のベント芝を管理するのは難しくなり、暖地型のバミューダ芝を採用するコースが増えている。

高温や乾燥に強くベント並みの速さ

日本では以前から暑さに強い暖地型芝草のコーライ芝が使われてきたが、ボールの転がりがよく、冬でも緑で見た目がいいと、多くのグリーンが寒地型のベント芝に取って代わられた。暑さに弱いというベント芝の弱点も、品種改良と管理技術の向上で改善され、国内の大多数のコースでベントグリーンが採用されている。だが、夏の日本は亜熱帯化しつつあり、ベント芝には厳しい気候になってきた。そこで注目を浴びているのが、暖地型芝草のバミューダ芝。

アメリカでは1900年代初頭からサンドグリーンの代わりにバミューダ芝が使われるようになり、先日の全米女子オープンが開催されたパインニードルズロッジ&GCも開場当初はバミューダグリーン。だが、当時のバミューダは茎葉が太くて硬く、その後、ベントに張り替えられた。そして全米女子オープン開催に向け2017年に「ミニバーディ」という品種のバミューダ芝が採用された。

「ミニバーディ」は1956年にジョージア州ティフトンの農業試験場で開発された「ティフグリーン」の突然変異種を集めて65年に生まれた「ティフドワーフ」をさらに品種改良し、90年代に開発された「ウルトラドワーフ(超矮性)」と呼ばれる細い葉を持つ種類のひとつ。強い生命力を持ち、高温や乾燥にも強く、短く刈り込めて速さが出せると、これまで500コース以上で採用され、PGAツアーのコースでも使用されている。日本では福岡の古賀GCのBグリーンで2011年8月から使用を開始。18ホールでの全面採用は国内初だった。その後、下関GCでも採用され、「ミニバーディ」に限らず、現在では全国の約3割のコースがバミューダグリーンを採用している。

ザ・プレーヤーズ選手権が行われるフロリダ州のTPCソーグラスも2006年に「ミニバーディ」を採用。2016年に同じウルトラドワーフの「ティフイーグル」に張り替えられた

週刊ゴルフダイジェスト2022年7月5日号より

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