【フィッティングでスコアアップ!】#2 計測するのはクラブ、スウィング、弾道データ。重視すべき数値とは?【動画あり】
前回は、フィッティングスタジオ「4plus」のカリスマフィッター・吉川仁氏に、フィッティングを受けることの重要性について教えてもらった。今回は、いよいよフィッティングへ。まずはクラブを計測し、続いて実際にボールを打ってデータを取っていくという。計測したさまざまなデータの中で、フィッターが重視するポイントについて教えてもらった。
THANKS/4 plus Fitting Labo & Golf Salon
>>そもそもなぜフィッティングが重要なの?
- 「フィッティング」という言葉はよく聞くが、なんとなく敷居が高いイメージがあり、自分にはまだ早いかも、と思っている人も多いだろう。でも「上手い、下手は関係ありません。どんなゴルファーでも、確実に飛距離アップ、スコアアップにつながります」とカリスマフィッターの吉川仁氏は言う。果たしてフィッティングとはどんなものなのか。なぜそんなに重要なのか。根掘り葉掘り聞いてみた。 THANKS/4 plus……
クラブ計測で
セッティングの“流れ”を見る
フィッティングというと、いろんなクラブでボールを打ちながら、自分に合うヘッドやシャフトを探していくイメージがあるが、その前に吉川氏が必ず行うのが、現在使っているクラブの計測だという。
「前回、フィッティングではまず“自分を知る”ことが大事だと言いましたが、これには“自分のクラブを知る”ことも含まれます」
しかも、4plusのフィッティングで計測するのは、ドライバーだけでなくFWからアイアン、ウェッジまですべての番手。
「全番手を計測することで、クラブ全体の“流れ”が分かります。ドライバーとアイアンは適正なのに、FWだけ軟らかすぎるとか、UTだけ重すぎるとか、クラブの流れの中でどこか突出した部分がないかをチェックするためです」
たとえばコースに出るとFWだけ上手く打てない、という場合は、FWだけが他の番手とまったく違うスペックになっている可能性もある。練習場とは違い、コースでは一打一打違うクラブを使うことが多いため、すべての番手の振り心地を揃えることも、スコアアップのうえでは重要になるというわけだ。
>>まずはクラブ計測から!
フィッティングの流れを動画でチェック
計測するのは4つのポイント
「計測するのは、クラブの長さ、振動数、総重量、バランスの4つ。これをドライバーからウェッジまで計測します」
「振動数」は聞きなれない言葉だが、シャフトの硬さを表す指標となる数値だ。
「1分間にシャフトがしなって戻るスピードのことで、数字が高いと硬い、数字が低いと軟らかいシャフトといえます。シャフトの硬さは通常『S』や『R』などと表示されますが、実はメーカーによって同じ『S』でも硬さが違うんです。なので、本当にその硬さが合っているかどうかを見極めるには、この“振動数”で判断する必要があるんです」
振動数は1分間にシャフトが何回振動するかを示す数値。数字が高いほどそのシャフトは硬く感じる
また「バランス」とは、簡単にいえばヘッド側が重いか、グリップ側が重いかということ。
「ヘッド側が重いとクラブが重く感じ、ヘッド側が軽い(グリップ側が重い)と、クラブが軽く感じてパワーがなくても振りやすくなります。平均的な男性ゴルファーの場合、D0~D2ぐらいのバランスが、振りやすいと感じることが多いと思います」
クラブの動きと
弾道データを計測
クラブの計測が一通り済んだら、いよいよ実際にボールを打っていく。
「まずはご自身のクラブで打ってもらうことで、どんなクセがあるかを分析していきます。クラブ計測同様、ドライバーだけでなくすべての番手でデータを取ることが重要です」
今回は時間の都合上、ドライバーだけを計測することに。フィッティング初体験というアベレージゴルファー、堀元慎輔さんに協力してもらった。
4plusで計測に使用するのは「ギアーズ」と「トラックマン」。ギアーズでスウィング中のクラブの動きを計測し、トラックマンで実際に打った弾道データを計測する。
「弾道データで見るべきポイントは、ボールスピード、打ち出し角、バックスピン量の3つ。いわゆる“飛びの3要素”と呼ばれる数値です」
まずボールスピードに直結するのが、「ミート率」の数値。
「ヘッドスピードに対し、どれだけ効率よくボールに力を伝えられているかを示すのが『ミート率』。1.5前後が理想的な数値ですが、一般的なアマチュアの場合は1.4前後が平均的です。堀元さんの数値は1.26と低めに出ているので、まずはこのミート率を上げたいですね。ミート率が1.4になるだけでも、20ヤードぐらいはあっという間に変わりますよ」
また「打ち出し角」に関しては、ヘッドスピード41~42m/sの場合、14~16度が理想的だという。
「堀元さんの場合は、打ち出し角が少し高いことに加え、気になるのがバックスピン量。4000回転ぐらいあるので、これを2400~2700回転ぐらいに抑えたいですね。バックスピンが多いと、ボールが上へ上へと上がってしまい、曲がり幅も大きくなりやすい。3000回転以上あると、飛距離のロスにつながります」
ドライバーの弾道データを分析して見えてきた堀元さんの課題は「まずミート率を上げたい。ミート率が上がればボールスピードが上がります。同時に打ち出し角を低く抑えて、バックスピン量も減らしたい。そうすると、飛距離がグンと伸びますよ」
次回は、計測したトラックマンのデータをさらに細かく分析していく。