【フィッティングでスコアアップ!】#1 上手い・下手は関係ない!「フィッティングって“自分を知る”ことなんです」【動画あり】
「フィッティング」という言葉はよく聞くが、なんとなく敷居が高いイメージがあり、自分にはまだ早いかも、と思っている人も多いだろう。でも「上手い、下手は関係ありません。どんなゴルファーでも、確実に飛距離アップ、スコアアップにつながります」とカリスマフィッターの吉川仁氏は言う。果たしてフィッティングとはどんなものなのか。なぜそんなに重要なのか。根掘り葉掘り聞いてみた。
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上手くいかない原因は
スウィングよりもクラブにあり?
量販店やオンラインショップでクラブを買うと、選べるシャフトはせいぜい3~4種類。なかには純正シャフト1種類だけしか選べないケースも。
「ヘッドスピードが速い人もいれば、リズムがゆっくりな人もいる。力がある人もいれば、そうでない人もいる。当然、スウィングは1人ひとり違ってきますよね。だから本来は、ちゃんと自分のスウィングに合ったクラブを選んであげる必要があるんです」
そう語るのは、フィッティングスタジオ「4plus」のカリスマフィッター・吉川仁氏。
「『ドライバーがスライスする』『ドライバーはいいのにアイアンが当たらない』。こうした悩みは、スウィングに原因があると考えがちですが、実は自分に合ったクラブを使っていないことが原因であるケースが多いんです」
>>フィッティングを受けるべき理由とは?
こちらの動画をチェック!
合っていないクラブを使うと
スウィングが崩れる原因に
自分に合っていないクラブを使っていると、「クラブに合わせる打ち方になってしまう」と吉川氏は指摘する。
「たとえば自分ではフェードボールが打ちたいのに、つかまりのいい(左に行きやすい)クラブを使っていたら、なかなか思うような球が打てないですよね。そんなクラブで無理にフェードを打とうとしたら、フェースを開いたり、カットに打ったりして調整する必要がある。そうすると、スウィングがどんどん崩れていってしまいます」
つまり、思うようなスウィングができないのは、クラブが原因である可能性があるということ。スウィングをあれこれ試行錯誤する前に、そもそもそのクラブが自分に合っているかどうかを疑う必要があるのだ。逆に言えば、自分に合ったクラブを手に入れることができれば、自然と効率のいいスウィングが身につくようになり、飛距離アップやスコアメイクにつながるというわけだ。
自分に合うクラブを見つけるには
まず「自分を知る」こと
では、「自分に合ったクラブ」はどのようにして見つければ良いのか。吉川氏は「まずは自分を知ること」が何より重要だと言う。
「たとえばファッションでも、自分に合ったコーディネートを選ぶには、身長や体の各部のサイズはもちろんのこと、自分の体型で気になるポイント、着用するシーン、どんなふうに見せたいかなど、さまざまなことを把握しておく必要があります。これと同じで、クラブを選ぶ際にも、まずは自分の状態やありたい姿を知っておく必要がある。具体的には、身長、パワー、ヘッドスピード、弾道、クラブの動き、ミスショットの傾向、クラブ全体の流れ、ゴルフの目的、今後の目標などが挙げられます」
とはいえ、これだけの情報を自分ひとりで手に入れることは難しい。「だからこそ、フィッターやクラフトマンといった専門家が必要なのです」と吉川氏。
「フィッターとは無数にあるクラブの中からプレーヤーの悩みを解決できるクラブを選ぶ人。そしてクラフトマンは、個体差のあるヘッドやシャフトをプレーヤーに合わせて調整し、1本1本仕上げていく人です。この2人がいて初めて、自分に最適なクラブを手に入れることができるのです」
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自分のスウィングタイプが明らかに!
クラブのさまざまな数値が
プレーに影響を及ぼす
吉川氏によると、スウィングよりもクラブのほうが、プレーに与える影響ははるかに大きいのだという。
「クラブの形はどれも同じように見えますが、その中身は全然違います。たとえば長さや重さ、シャフトの硬さ(振動数、EI剛性)、ロフト角、ライ角、重心距離、重心深度……などなど、クラブによってこれらの数値は異なり、その数値の違いが、プレーにさまざまな影響をもたらします」
たとえばクラブの長さは振りやすさやミート率、ヘッドスピードなどに関わってくるし、ロフト角は弾道の高さ、重心距離は球のつかまりやすさ、慣性モーメントはミスへの許容性、シャフトの振動数はタイミングの取りやすさなどに関係する。自分にピッタリなクラブを見極めるには、こうしたあらゆる要素を考え合わせる必要があり、そのためにも、それらをすべて理解したフィッターの存在が不可欠といえる。
プレーに影響を与える要素の例
・クラブ長さ(ミート率、ヘッドスピード、振りやすさ)
・総重量(ヘッドスピード、リズム、振りやすさ)
・EI剛性(振りやすさ、弾道)
・振動数(弾道、タイミングのとりやすさ)
・ロフト角・ライ角(弾道、つかまり)
・バランス(振りやすさ、弾道)
・ヘッド重量(飛距離、弾道)
・重心深度(弾道、つかまり、ミス許容性)
・重心距離(弾道、つかまり)
・慣性モーメント(弾道、つかまり、ミス許容性)
では、専門のフィッターによるフィッティングを受けるにはどこに行けばいいのか?
「フィッティングを受けられるのは、クラブメーカー、量販店、工房の3つです。特定の好きなブランドがある場合は、メーカーのフィッティングに行くのがいいでしょう。ヘッドがある程度絞られているので、そこからさらにじっくりとシャフトなどを選んでいくことができます。量販店の場合は、あらゆるメーカーのクラブを試打することができるので、いろいろなヘッドを試してみたい人にオススメ。工房の場合は、より専門性の高い解析方法で、ベストなクラブを選んでくれます」
フィッティングというと、初心者には敷居が高く感じられるが、やはりある程度腕前が上がってから受けるほうがいいのか?
「そんなことはありません! 『スウィングがある程度固まってから受けるべき』という人もいますが、先ほどもお話した通り、スウィングはクラブの影響を強く受けます。なので、最初から明らかに合っていないクラブを使うと、それに合わせたスウィングになってしまい、むしろ上達が遠回りになってしまいます。ビギナーこそ、早いうちにフィッティングを受けてほしいですね」
- 前回は、フィッティングスタジオ「4plus」のカリスマフィッター・吉川仁氏に、フィッティングを受けることの重要性について教えてもらった。今回は、いよいよフィッティングへ。まずはクラブを計測し、続いて実際にボールを打ってデータを取っていくという。計測したさまざまなデータの中で、フィッターが重視するポイントについて教えてもらった。 THANKS/4 plus Fitting Labo &……