“傾斜”だけじゃない! ラインを左右する「芝目」ってなんだ?【明日使えるゴルフ用語】
普段当たり前のように使っているゴルフ用語だが、その成り立ちや意味を問われたときに、正しく返せるだろうか? ここではラウンド中の会話やゴルフ仲間とのやりとりで使える、ゴルフ用語にまつわるうんちくを紹介する。
芝目【grain】
「芝目」とは、ゴルフ場の芝生が寝ている方向のこと。芝がボールからカップに向かって流れている状態を「順目」、芝がカップからボールに向かって流れている状態を「逆目」と呼ぶ。
パットのラインは、主にグリーンの傾斜によって曲がり方が左右されるが、芝目も曲がり方に影響する場合がある。
芝の葉や茎というのは、概ね垂直に生えているものの、気象条件や風向き、グリーンの形状、それに機械によるメンテナンスの影響で、いずれかの方向に倒れてしまうことが多い。
これが芝目で、芝の倒れているのと同じ方向(順目)にはボールが転がりやすく、逆向き(逆目)にはボールが転がりにくくなる。曲がるラインならば、目の向いている方向に曲がりやすくなるため、パットのラインを正確に読むには、芝目も考慮に入れる必要がある。
芝目は、水と風、それに人の流れの方向にできやすい。芝目を読むなら、まずは、雨が降って水が流れていく方向を想像する。それに加えて、グリーン上を吹きぬける風の向き、次のホールへ向かう人の導線に注意するといい。光が当たると、順目は光って白っぽく見え、逆目は緑が濃く見えるので、それも判断材料になるだろう。
また、芝目は芝が長いほど強く出やすいので、午前中より、芝の伸びる午後のほうが、芝目の影響を受けやすいということを頭に入れておこう。
ちなみにベントグリーンの場合、芝の葉茎が細く、密集度が高いほど、芝目はできにくくなる。最近では、芝目のできにくいグリーンがいいグリーンとされる傾向にあるので、芝の密集度を上げるメンテナンスを行なったり、より密集度の高い芝種に切り替えるなどの対応をしているコースが増えている。一方で、河川敷のコースなどに多い高麗芝のグリーンは芝目が強いので、傾斜だけでなく芝目の影響も十分に考慮してラインを読むようにしよう。