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【わかったなんて言えません!】Vol.78 石坂友宏 #2「ストレッチと体幹トレーニングで10~15Yアップ」

「ゲンちゃん」こと時松隆光がプロを招いてトークをする連載「わかった! なんて言えません」。今回のゲストは、前回に続き若手の注目株・石坂友宏。ショートゲームを武器に戦うプレースタイルが共通しているという2人だが、やはり飛距離はほしいようで……。

TEXT/Yuzuru Hirayama PHOTO/Tadashi Anezaki

ホスト/時松隆光

1993年生まれ、福岡県出身。ツアー通算3勝。プロ10年目。テンフィンガーグリップで戦う。愛称は“ゲンちゃん”

ご指名/石坂友宏

1999年生まれ、神奈川県出身。19年プロ入り後、何度も優勝争いに絡み、昨季賞金ランク17位。今後の活躍が期待される若手。爽やかな笑顔も印象的

前回のお話はこちら

時松 19年に日本オープンでローアマになったよね。そのときと、プロに転向して戦ってみて、今、改めて感じていることは?

石坂 やっぱり、プロはみなさん飛びますね。飛距離でかなりまだ差があるなと。僕は飛ばないほうなので……(20-21年度ドライビングディスタンス274.45ヤードで85位)。

時松 それを言われると、僕も飛ばないほうなんで(笑)。もっと飛ばしたい?

石坂 はい。このままでは、飛距離の面でかなり不利になってしまうなと。それで、何をしたらいいかを考えて、とにかくまずはトレーニングだと。

時松 筋トレ、結構本格的に頑張ったの?

石坂 やりました。スクワットでいえば、110キロとかを上げていました。特に下半身は筋力が足りなかったので。だけどそうしたら、昨年9月のトレーニング中にギックリ腰をやってしまって。本当に痛くて、これはヤバいなと。

時松 それで昨年欠場した試合があったんだね。


石坂 そうなんです。休まずに出たかったんですけど、痛くて無理でした。怪我をした直後は落ち込んだんですが、それでもギックリ腰程度で逆によかったじゃないかと考えて。それに、トレーニング以上に大切なこともあると気づかせてもらえました。

時松 ゴルフで飛ばすための筋トレなのに、筋トレで怪我をしてゴルフができなくなったら、本末転倒だもんね。

石坂 本当にそうなんです。時松さんも、筋トレはあまりしないと聞きましたが?

時松 師匠の篠塚武久先生から、飛ばすために筋力ばかりを大きくしたら、それ以外の感性が失われてしまう、と教わってきたしね。

石坂 それ、わかる気がします。

時松 でも、今年のオフは池田勇太さんのトレーニング合宿に呼んでいただいて、トレーナーさんが組んだメニューをやらせてもらったんだ。勇太さんたちほかの選手は平気でこなしているメニューなのに、僕は「もう無理っす!」って(笑)。ああ、こんな筋力しかないから俺は飛ばないんだなと実感したよ(笑)。

石坂 なるほど~。

時松 確かに飛距離は重要で、僕も正直言うと、もっと飛んだらどれだけゴルフが楽にできるんだろうと思うとき、いっぱいあるよ。とはいえゴルフって、ドライバーの飛距離だけではない、というのも事実だしね。

石坂 恐れ多いですけど、僕のプレースタイルは、時松さんと似ているなと思っているんです。武器は飛距離というより、グリーン周りとパッティング。時松さんが、そこで勝負されていることに、僕はとても勇気をいただくというか。

時松 またまた、言葉選んでるなぁ(笑)。自分の武器は確かにパッティングなのかもしれないけど、それでも飛距離も捨ててしまいたくないという無いものねだりはあるんだよね。

石坂 同じです。でも今は、筋トレで無理をしてしまうよりも、腰のケアをしながら体の柔軟性を上げていこうかと。僕、股関節が硬いんです。それって致命的だよなと。だからストレッチを取り入れて、スウィングに生かせる下半身の可動域を手に入れようと。

時松 ストレッチね。

石坂 それと、体幹トレーニングを。怪我をする以前は腕や脚を鍛えることを考えていましたけど、体幹が強くなれば変わってくると信じてやってます。

時松 ストレッチと体幹トレーニング、やってみた効果は、今、感じている?

石坂 はい。10~15ヤードは飛距離が伸びましたね。300ヤード飛ばす選手の10~15ヤードではなく、270ヤードしか飛ばなかった僕の10~15ヤードは、かなり大きく感じます。

飛距離アップした僕も見てください!

「オフの1カ月や2カ月だけじゃなく、シーズンを通してコツコツ鍛えていこうと思っています」

時松 飛ばし屋の選手たちは、それっぽっちと思うかもしれないけど、すごく大きいよね。

石坂 それと、怪我をしてみて感じたのは、やっぱりプロの1シーズンはとても長いなと。時松さん、年間通じてコンスタントに成績を上げるコツってありますか?

時松 好不調の波を少なくしたいのと、やっぱり怪我をしないこと。僕、大きな怪我って、これまでしたことなかったんだけど、昨年は背中を痛めて。クシャミをするだけでも痛いくらい。改めて、丈夫で健康な体あってのプロゴルファーだよなと。

石坂 はい。1シーズン通して戦ってみて、正直、かなり疲れました(苦笑)。プロはみなさんタフだなと。僕も今年はいい成績を挙げることはもちろんですが、疲れないタフさを身につけるのも目標にします!

週刊ゴルフダイジェスト2022年5月3日号より