【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみてVol.15「ラウンド前の“出球チェック”でスコアアップ」
家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!
ILLUST/Masaaki Takauji
プロゴルファーには、大抵ドローかフェードの持ち球があり、いつも真っすぐ打つのは難しい。それなのに、多くのゴルファーはボールが曲がることを嫌がる。ボクは基本的にはドローだけど、その日によって、フェードが出ることもあるから、持ち球はないと思っている。昨年の四国ミッドアマチュアゴルフ選手権で優勝した際も、1日目はドロー、2日目はフェードと、2日間違う球筋だった。
ゴルフへ行くたびに違う球が出る……程度の差はあるにせよ、アマチュアなら誰もが経験済みの、あるある現象だろう。だから、ボクはラウンド前の練習で必ず“今日の持ち球”をチェックするようにしている。といっても、そんな大袈裟なものではない。朝の情報番組でやっている星占いの“今日の運勢”をチェックするようなものだ。その日がラッキーデーだったら、そりゃ嬉しいけど、たとえ要注意デーでもそこまで気にしない。
「そんな日もあるさ」と思うだけである。“今日の持ち球”診断も、そんなノリでいいと思う。
例えば、ウォーミングアップがてらに、ドライバーが狙ったところよりも、左に行ったとする。それが、何度打っても同じ結果だったら……原因はいろいろあるけど、フェースが閉じ気味だということが言える。それをスウィング全体に置き換えると、今日は全体的にフックが出やすい日、ということになる。スライサーなのに、「あれ? おかしいな」と焦ってはいけない。星占いで言う「そんな日もあるさ」なのだ。つまり、スライサーでありながらフックが出る日なのだ。
そう割り切れば、気分も楽になるし、コース戦略も簡単になる。フックするなら、いつもより右を狙えばコースを広く使える。ただそれだけ。やってはいけないのが、もともとスライサーだからといって、頑に左を狙うこと。左を狙ってフックしたらOB一直線である。もちろん右を狙って、いつものスライスが突発的に出ることもあるけど、それはしゃーない。ボクはそう思うようにしている。
コースでスウィングを直すことは難しい。これもアマチュアあるあるのひとつではないだろうか。従って、フックの日に、無理矢理スライスに戻そうとしてもダメ。スウィングをこじらせるだけである。
というわけで、みなさんも、ラウンド前の“今日の持ち球”診断をおすすめしたい。
ただ、気をつけてほしいことが1点ある。それは、目線。コースの練習場は町中の練習場と違って平らでないことが多い。崖に向かって打ったり、目の前が谷だったりする。そのロケーションにつられて、目線を変えてしまうと、“今日の持ち球”診断が怪しくなってしまう。谷だからといって目線を下げるとチーピンしやすいし、崖だからといって上を見るとスライスしやすいのでご注意を。目線を平行に保ちながら“今日の持ち球”を診断したら、そのままのスウィングでラウンド!
そうすれば、より気楽にゴルフをエンジョイできると思う。
全員がチャンピオン! 二宮家
週刊ゴルフダイジェスト2017年1月31日号より