【ゴルフせんとや生まれけむ】おぼん<前編>「パーシモンで270Yかっ飛ばし」
ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回からの語り手は、お笑い芸人のおぼん氏。
初めてゴルフをやったのは「お笑いスター誕生」に出ていた頃だから、30歳くらいのときです。喜劇の大先輩、東八郎さんに誘ってもらって千葉のほうのゴルフ場に行きました。そしたら、東さんが「パターが下手なやつは頭が悪いんだよな」って言うんです。ええッ、オレ、頭が悪いのかなと真剣に悩みましたよ(笑)。
もともと高校野球出身で、体力には自信があったから、いっぺんでゴルフが好きになった。ボクら芸人は舞台など屋内の仕事が多いから、緑がいっぱいの大自然に囲まれた青空の下でボールを飛ばすのは、それだけで気分がスカッとするんですよ。で、仕事で移動するときはクルマにクラブ一式を積み込んで、練習場のネットが見えると立ち寄っていました。漫才ブームの超多忙なときでも早朝の練習場に通い、月に5~6回はコースに出ていましたね(笑)。
スコア? ゴルフを始めたばかりのころ、やはり大先輩の宮田章司さんと河川敷コースを回ったとき「素人はドライバーなんか持つんじゃねえ。ティーショットは7番アイアンで打て」と言われ、そしたらなんとハーフを42か43で回って。「こりゃあ才能があるんじゃないか」と思って、次からドライバーを使うようになったらボロボロ(笑)。ドライバーだと右にしかいかない。それが悔しくて、手にマメを作って練習したら、なんとか80台で回れるようになりました。
若い頃はよく飛びました。体力はあるし、背も高いでしょう。パーシモンのドライバーで260~270ヤードは飛んでいたんじゃないかな。芸能人のプロアマ大会で青木基正プロと一緒に回ったとき「漫才やめてプロになったほうが稼げるぞ」って言われました(笑)。同じ事務所の小野ヤスシさんがジャンボ(尾崎)さんと懇意にしていて、ジャンボさんの自宅や練習場にも連れていってもらったし、中嶋常幸プロやジェットともプロアマで回ったりしていました。
ところが、あるときからイップスじゃないんだけど、パットがまったく入らなくなった。1メートルの距離が入らない。基正プロに「もうゴルフやめようと思う」と言ったら「パットはインサイドに引いて素直に体の動くように打て」と教えてくれた。それまでは両腕で五角形を作って、真っすぐ引いて真っすぐ出していたんです。いまやパターは大好きになりましたけどね。
ベストスコアは30年前に出した2アンダー。埼玉県のおおむらさきゴルフ倶楽部で出したんですが、ショットが絶好調でね、ドライバーを打ったら残りは全部ショートアイアン。あんなゴルフはもう夢でも見ないな(笑)。最近は飛んでもせいぜい230ヤードです。
今年72歳ですけど、歳の割には飛ぶほうじゃないですかね。IPフラッグ近くまでは行きますからね。最近はネットで動画をよく見ています。あれ、いいですね。よく理解できなかったスウィング理論が動画を見るとわかるようになった。で、動画を見ると練習場やコースに行って自分で実際にやってみたくなる。ゴルファーは、皆さん同じなんでしょうね。
>>後編へつづく
おぼん
1949年生まれ。大阪出身。お笑いコンビ「おぼん・こぼん」のボケ担当。1965年にコンビ結成。80年NTV「お笑いスター誕生」で10週連続勝ち抜き、グランプリを受賞して一躍スターダムに。近年は浅草東洋館を中心に演芸場などの出演が多い。最近では『水曜日のダウンタウン』の「コンビ仲直り企画」の影響でブレーク中
週刊ゴルフダイジェスト2022年2月1日号より