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「こんな言い方はイヤだ!」ビギナー時代の“本当にあった”怒られエピソード

ILLUST/Koki Hashimoto

コロナ禍の影響もあり、若いゴルファーが目に見えて増えている昨今。微笑ましく思う一方で、ついマナーが気になってしまう向きも多いだろう。どんなゴルファーも、かつてはビギナーだったのだから、あらゆることに目くじらを立てたり、愛のない嫌味を口にしたりするのは考えもの。言われた側はどう受け止めているかを理解したうえで、どんな態度や言い方をすれば、若者にゴルフを続けてもらえるのか。以下に挙げた「怒られた」エピソードをもとに考えてみよう


「カーキの服は着て来るな!」

まだビギナーだったころ、コースにカーキ色のウェアで行ったら同伴者の上司に「下手はカーキの服なんか着て来るな! ピンクとかオレンジとかで来い」と大声で怒られました。林の中に入ったら同化しやすいからとのことで理解はできるのですが、なんせ言い方がきついのもあり「このスポーツは好きな色も着られないのか」と、その日は一日むくれていました。その後、上司が会社を辞めたので、もう一緒に回らずにすむのが幸い。(40代女性・神奈川県)

猟友会の人からオレンジのベストでも借りましょう。


「白い靴なんか履いて来るんじゃない!」

もう40年以上前、ゴルフを始めたばかりのときの話。道具をそろえるお金もなかったので、クラブもゴルフシューズも全部、会社の上司のお下がりをもらいました。靴はフットジョイの本革の白。それを履いて埼玉の某名門コースを回っていたら、昼食の際、後ろの組の60代くらいの男性がわざわざテーブルに来て「きみはまだ白い靴を履くのは早い!」と言う。最初、何のことかわからずポカンとしていたら、私に靴をくれた上司がその人に「すみません、私のお下がりをあげたものですから」と頭を下げていた。上司が言うには、白い靴はシングルプレーヤーの象徴だったらしい。今なら「どんな靴を履こうと余計なお世話じゃないか」と反論されそうなものだが、昔の人は平気で言っていた。ちなみに、その男性は口うるさいことで有名なメンバーで、みんなに煙たがられていたらしい。(70代男性・東京都)

ビギナーは白もダメなのか。


「お金をマーカーにするんじゃない」

グリーン上で外国のコインをマーカーとして置いたら「コラッ、お金で遊ぶな」とグリーン上でキツく言われました。「みんな使っているけれど……」と思ったけれど、年配のうるさ方なので「はい」と従うしかなかった。(50代男性・東京都)

「食べ物で遊んじゃダメ」はお母さんの常套句だが……


「ラーイーンをー踏ーむーなー」

かなり大きなグリーンに、最初にオンした人が、ボールはカップからかなり離れているが先にマークをした。しかも、コースに置いてある小さなマーカー。私は、その人より後にグリーンに上がったこともあり、その人のマーカーが見えず、ついラインを踏んでしまった。すると「ラーイーンをー踏ーむーなー」と、一音一音区切って怒られた。踏んだことは悪いけど「そんな遠くのボールマークする必要あるの?」と思った。(60代男性・兵庫県)

大グリーンの小さなマーク。見えないってば


言葉に出さず男は黙ってゴミ拾い

フェアウェイを歩いていたら、タバコの外側のフィルムが風で飛んできた。自分のものではないので、そのままにしていたら、同伴者の男性が何も言わずにさっと拾い、自分のポケットにしまって、その後、ゴミ箱に捨てていた。恥ずかしさで消えてしまいたい気持ちになり、以降、ゴミを見つければ拾うようにしている。でも、もしあの男性から「ゴミを拾いなさい」と叱られていたら、私は今でも拾わない人間だった気がする。声に出して叱るよりずっと心に響く教え方だった。(40代女性・神奈川県)

みんなで大谷翔平になろう


「口をきいてくれなくなった」

とあるトップアマチュアと回った際、緊張していたため普段はしないようなチョロを連発。スロープレーを懸念したらしいそのトップアマが小走りで移動しだし、私とまったく口をきいてくれなくなくなりました。叱られはしなかったけれど、あれはキツかった。(30代男性・愛知県)

口をきいてくれないトップアマには憧れない


鬼の形相と大声に全員が撃沈

混んだ日で、ティーイングエリアで3組も待っているホールがありました。スタート小屋で待機していたら、同伴女性に電話が。「仕事相手だから出なければ」と、電話で話しだし、最初は小声だったがどんどん声が大きくなった。私たちも「まずいな」と思っていた折、ティーショットの順番になった人が、こちらを振り向き「うるさいっ!」と一言。彼らの組が打ち終わってすぐ、みんなで謝ったがプイッとされてしまった。「あんな言い方しなくてもいいんじゃないか」とは思いつつも、こちらに非があったため、全員しょげてしまい、残りのホールはお通夜のよう。風光明媚なことで有名なコースでしたが、景色を見る余裕もなくなった。電話していた彼女はゴルフをやめました。(40代男性・千葉県)

ゴルファー人口1人減


「下手は目土しなくていいんだ!」

上司とのラウンドでチョロやダフリを何度もやらかした。そのたび、目土をしていたが、あんまり頻繁なので上司がイライラしだし「下手は目土なんかしなくていいからさっさと打て」と言われた。ゴルフを始めるとき、技術よりなにより大事なのはマナーだぞと言って目土のことを教えてくれた人で、当日も私は後ろが詰まっていないか確認しながらササッとやっていたつもりでしたが、気に入らなかった様子。「さっさと打て」と言われて焦って打つとまたダフりすっかり負のスパイラルに。あと、人前で「下手が、下手が」と言われるのもすごく嫌でした。(30代男性・千葉県)

上司は気分でものを言う。それがゴルフ中であっても……


「ラフと女にゃカネ使えってね」

昔はすべてキャディ付きラウンドだったので初心者はまずキャディさんに叱られるのが当たり前だった。そんな折、私がベテランキャディから言われたのが「お客さん、ラフと女にゃカネ使えっていうんだよ」。ドライバーショットをチョロした際、当然、2打目は遠くに飛ばしたいからフェアウェイウッドを持とうとしていたところでこの一言。ラフからはウッドではなくカネ、つまりアイアンを使いなさいよ、という意味。厳しいんですが、言い方を含めてユーモラスな感じで「はいよー」と素直に従った。昔は、各コースに厳しくも優しい名物キャディさんがいたものです。(60代男性・茨城県)

叱られるうちが花とも申します


「プレーが遅いと仕事も遅い!」

某有名企業の部長が、部下とのラウンドで「お前な、もっと速く歩け。歩くのが遅い奴は、仕事も遅いんだぞ」と言っているのを聞いた。プレーファストが大事なのはわかるが、言い方もきついし、仕事と結びつけるのもおかしな話。怒られたほうは、それ以来、社のコンペには出なくなったそうです。仕事でもプライベートでも「言ってはいけない一言」もあるんだよな、と思いました。(60代男性・大阪府)

「お前な」も時代錯誤。またもゴルファー人口一人減


気づかせ方に座布団一枚

レギュラーティーから打ち、フェアウェイへ歩いていくとき、うっかりレディスティーやシルバーティーをズカズカと踏んで通ってしまった。自分ではまったく気づいていなかったが、同伴者の先輩が「他人の家の芝生に入っちゃったなー」と。最初は「何のことだろう」と思ったが、私の無知をやんわり教えてくれていたんだと気づきました。私に恥をかかせないように言ってくれたんだと感謝したし、以降、同じミスはしていません。(70代男性・埼玉県)

年の功とはこういうことです


ピンフラッグどこに置けば?

かつてピンフラッグを必ず抜いていた時代。抜いたピンを「グリーンの端に置くように」という人と「グリーンのすぐ横のラフに置け」という人がいて、その2人と同組になった際は、どちらの言うことに従えばいいか迷った。フラッグの先の部分を少しラフに出すなど、いらぬ工夫をするはめに。この気遣いを当の2人は知らない。(50代男性・静岡県)

巨大グリーンの端に置きに行ったら、それはそれで怒られるだろう


動かぬカートに当ててしまった

18番のパー3でグリーンが空いたけれど、カートが動かない。どうも、中でスコアをつけたりしながらワイワイやっている様子。あまりに動かないので、ティーショットを始めたら、同伴者が運悪くカートの屋根に当ててしまった。「すみません!」と大声で謝ったが、カートから出てきた4人組はしばし仁王立ちでにらんでいた。だって、いつまでたっても立ち去ってくれないから……。

どちらが悪いのだろう


カートの運転は任せてね!

組の中で自分が一番の年少。年上にカートの運転をさせてはいけないと思い、チョロしてはカートに戻り、また急いで打ちに行き……としていたら「カートは回しておくよ」と。「優しいなあ」と思ったけれど、遠回しに「初心者は運転するな」ということだったんですね。これが「初心者が運転すると遅くなるから」などと言われていたら、傷ついてしまったかも。

初心者はデリケートです


注意のちはればれゴルフ談義

神奈川県の某コースでラウンドしていた際のこと。打ち込みというわけではないですが、少しだけ私のティーショットのタイミングが早かったようで、前の組の男性から手でバツ印をされた。その場で帽子をとり「すみません!」と頭を下げ、次のホールで追いついたので「先ほどはすみませんでした」と謝った。すると、メンバーとおぼしき70歳くらいの男性が「いやいや、全然打ち込みなんかじゃないよ。ちょっと早いかな、ぐらいだっただけ。いや、だってさっきからお姉さん、よく飛んでいるからさー」と、ニコニコ笑顔で言ってくれた。ビクビクして謝りにいったのに「クラブ、何使っているの?」「よく来るの?」などと、ゴルフ談議に発展して楽しかった。すべては、あの男性の人間力だと後から思いました。(40代女性・東京都)

相手を落ち込ませない言い方がある


「君はそんなにうまいの?」

ミスショットをした際「アッ」と声を出してしまった。すると同伴者の一人が「君は『アッ』と言うほどうまいのかい?」と。実はその人こそ、日本アマ優勝6回を誇る中部銀次郎さん。以来、私は言い訳めいた「アッ」は出さないようにしている。(70代男性・東京都)

これぞ、銀の教え

週刊ゴルフダイジェスト2021年9月7日号より