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【ゴルフせんとや生まれけむ】潮田玲子<後編>「広いフェアウェイになぜ打てない!?」

ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、前回に引き続き元バドミントン日本代表の潮田玲子さん。

前回のお話はこちら

ゴルフを始めたときは、とまどうことばかりでした。だってバドミントンは初速250キロものスピードが出るシャトルを瞬時に打ち合うスポーツなので、打つ瞬間、ラケットの向きがどうなどと考えているヒマはありません。反射的な動きで、いかに相手のとりにくいところにシャトルを落とすか、それが勝負なんです。

でも、ゴルフはアドレスに入ってから打つまで、時間にしたらたった数秒なんですけれど「このボールをどうやって打つか」と、すごく考えるじゃないですか。しかも、打ちながら「今は切り返しが早かった」とか「あっ、手の角度が違った」などとチェックポイントが頭をよぎってしまって(笑)。そして、考えれば考えるほど体がうまく動かず、思うようなボールが打てなくなっちゃうんです。 


あとは、ピンポイントで狙って得点を稼いでいくバドミントンとの違いにもとまどいましたね。ゴルフならフェアウェイは広い、バドミントンのコートよりうんと広いです(笑)。その広ーいところにボールを打てばいいのに「何でそっちに行くかな?」ってことが頻繁に起きるわけですよ。バドミントンではあれだけピンポイントにシャトルを落としていたのに……(笑)。それで「あー、失敗したなあ」と落ち込んだ気持ちのまま次を打つと、またまた続けてミスショットが出てしまう。考える時間があるぶん切り替えが難しいですよね。スポーツはどんな競技でもメンタルが大事ですけど、なかでもゴルフは特にメンタルスポーツなんだなと痛感しますね。

ゴルフの体の動きでバドミントンをやっていて良かったなということは、実はありません(笑)。ただ、小さいころからラケットの面の使い方は得意なほうだったので、いま通っているゴルフスクールの先生から「いま、クラブがこういう角度で入ってきたから、ボールがこういうふうに出ていくんですよ」などと説明されると自分なりにイメージはできるんです。ラケットの面の使い方とクラブのフェースターンには共通点がある気がします。あっ、あとはバドミントンのサーブですね。あの始動の感じはゴルフのショットと似たところがあると思います。サーブはゆっくり打つし簡単そうに見えますよね? でも実はあれこそすっごく難しいんですよ!

そう、それでフェースターンの原理までは理解できるんですけど、先生から「下半身を止めたままで上半身をひねって……」とか「仙骨の動きが……」と言われ始めると、もうチンプンカンプンになってしまって。「もう早く打たせて~」と思っちゃいます(笑)。

クラブはバドミントン時代にお世話になっていたヨネックスを使っています。好きなのは4番、5番のユーティリティかな。いちばん自分のイメージどおりにきれいに当たるんですよ。残念ながら私自身の技術がまだまだで、番手の距離は確立していないぐらいなんですが、もうちょっと上手くなったらクラブにも凝ってみたいです。そのためにもやっぱり今は練習あるのみ、ですね。


潮田 玲子

1983年、福岡県生まれ。バドミントン日本代表として北京・ロンドン両オリンピックに出場。現在は2児の母として子育てに励む傍らコメンテーターとして活躍中。「ベストマザー賞2021」のスポーツ部門を受賞

週刊ゴルフダイジェスト2021年8月17日号より