【イザワの法則】Vol.71 “真っすぐ打ち出す”を覚えたら、強い!
伊澤利光「イザワの法則」
たとえプロでも練習時間は「無限」ではない。確実に上達につながる「基本」の練習とはどういうものか。どうしたら限られた時間の中で上達できるのだろうか?
TEXT/Daisei Sugawara ILLUST/Kenji Kitamura PHOTO/Hiroyuki Okazawa THANKS/福岡レイクサイドCC(PGM)

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コースで足りないものを補うのが練習
アマチュアの中には、「たくさん練習しているのに上手くならない」という人がいますが、私の考えでは、そういう人は「上手くなる練習」をしていないんじゃないかと思います。上手くなる練習というのは、別の言い方をすれば「目的のはっきりした練習」のことです。たとえばアプローチが苦手で、グリーン周りでいつも何打か損をしているというのであれば、練習時間の大部分をアプローチ練習に割くことで、確実にスコアをアップできるはずです。
同じことは「バンカーが苦手」な人にも言えますが、アプローチと比べるとラウンドでの実践機会が少ないので、スコアアップへの期待値はやや低いです。また、バンカーが苦手なら、ショット力のほうを磨いて、そもそもバンカーに「入れない」という戦略のほうが効果的な場合もあります。
基本的には、実際のラウンドで使う機会が多いショットをたくさん練習するほうが、上手くなる(スコアがよくなる)確率は上がります。7番アイアンでグリーンを狙う練習のほうが、林の中から低い球で脱出する練習よりも優先度が高いということですね。もちろん、様々な場面を想定してそれに備えておくことは大事ですが、1ラウンドに1回あるかないかのショットに時間を費やすのは効率が悪いと言えるでしょう。
スウィングを「完璧にする」のはプロでも難しい
スウィング自体をよくするというのも、ひとつの「目的」ではありますが、問題なのは、そういう基本的なスウィングの練習というのは、やってもやってもキリがないということです。プロでさえ、10回打てば1回くらいは思い描いたのとはまったく違う球が出ることもあります。ですから、練習では「どこまで求めるか」を最初に決めておくほうがいいでしょう。たとえばドライバーだったら、「真っすぐの球でフェアウェイの真ん中」を目指すのではなくて、「コースの幅に収まる曲がり幅」を目指すという具合です。ドライバーは1ラウンドで大体「14回」しか使わないクラブなわけですから、それで十分と言えます。
ドライバーでもアイアンでも、ショットの精度を上げるという点で言うと、「出球」がきちんと狙ったところに出ているかどうかがとても重要です。仮に、ドライバーの曲がり幅が30ヤードもあるスライサーだとしても、出球さえ狙ったところに出せれば、コースの幅にボールをとどめることはできます。ですが、もし出球自体が右に出てしまうとしたら、右のOBは避けられないわけです。プロは練習ではアラインメントのチェックは必ず行い、出球の方向を確認しながら練習します。逆に言えば、プロでもやっているんだから、アマチュアにはもっとそうした工夫が必要だということです。そしてもし、出球が狙ったところに出ないときは、スウィングをいじるより先に、アドレスを確認してみてください。プロや上級者におかしなアドレスをしている人がいないのは、それだけ球筋への影響が大きいということですから。

「上達する練習」をしよう
練習場では、たとえば奥のネットの支柱など、具体的なターゲットを見つけて、その方向にボールを出すことを意識して練習する。出球の方向が安定することで、自分の球筋を利用したコース攻略が容易になる。振り幅を変えずにゆっくり振る練習も有効

伊澤利光
1968年生まれ。神奈川県出身。学生時代から頭角を現し、プロ入りしてからは、プロも憧れる美しいスウィングの持ち主として活躍。2001年、2003年と2度の賞金王に輝く。また、2001年、マスターズで日本人最高位の4位入賞(当時)。現在はシニアツアーを中心に活躍中
月刊ゴルフダイジェスト2026年10月号より


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