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森守洋「レッスンは受けるな」Vol.31 スウィングとはその人が持つプロフィールと考えましょう


堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのプロを指導する森守洋が、自身が行きついたゴルフスウィングの本質を語り尽くす。

PHOTO/ARAKISHIN

>>前回のお話はこちら


File.31
肉体について


スウィングとは
その人が持つプロフィールと考えましょう

レッスンをしているとよく「マキロイのようなスウィングをしたい」「タイガーのように振りたい」といったことを言われることがあります。

結論から言いますと、タイガーやマキロイと同じような肉体のパフォーマンスを持っていないと、あのような凄みが表面的に表れる動きは難しい、となります。

ゴルフのスウィングの見た目というのは、自分自身の身体のプロフィールのようなもので、その人の年齢による可動域や筋力によって差が出るものです。

言い換えると一般的なアマチュアゴルファーは、日常的に仕事にいそしんでますので、体を積極的に鍛えるということがあまりできていないことが多いと思います。

そういう人たちは年齢を重ねると筋力が落ちて、関節などの可動域も狭くなり動きに制限が出てきてしまうため、PGAツアーの選手のような力強さであったり、ジュニアゴルファーのような柔らかくきれいなスウィングを作り上げるのは難しいという現実があります。


シニアツアーなどに出ているレジェンドの中に、マキロイのようなしなやかで躍動感のあるスウィングをしている人を見かけることは難しいですよね。

これは何を意味しているのかというと、まさにスウィングの見た目の美しさというのは可動域や筋力、柔軟性によって差が出るということなんです。これはスウィングの本質を理解するうえでわかっておいてほしいことです。

ゴルフスウィングというのは、シンプルに回転しているだけのように見えますが、上半身を前傾して回転運動を行っているため、実は側屈運動やら骨盤の前傾や後傾、股関節の内旋、外旋など、それぞれの関節がめちゃくちゃ動いているわけです。

それらの関節が正しく動いたうえでの回転運動なので、年齢を重ねて柔軟性が落ちてくるとシンプルな回転運動はしづらくなることを意味します。

だから若いときにダイナミックにスウィングしていたレジェンドゴルファーたちでさえ年齢を重ねると、体のタテ回転がしにくくなり、側屈運動ができないから手打ちのような見た目になるわけです。
じゃあ、年齢を重ねるとゴルフが上手くならないのか? ということになりますが、決してそうではありません。

体自体はタテの動きをしにくくなったとしても、クラブの動きは第一に振り子、要は手首の使い方によって正しい方向とエネルギーは確保できます。

若い頃と同じような体の使い方ができないぶん、スウィング円弧は小さくなり、スピードは落ちるためゴルフクラブが発生するエネルギーは小さくなりますが、正しいベクトルとフェースアングルというのは棒振り、いわゆるクラブを振ることによって獲得することができます。ただ、正しいゴルフクラブの使い方はできても、10代と60代では筋力や関節の可動域などの差ができるということをしっかり理解しておいてほしいです。

また、ゴルファーとして高みを目指すのであれば、ラジオ体操くらいでいいので、柔軟性をキープさせて、背骨が動く状態を作ることはとても大切なことです。

そうやって自分のスウィングのプロフィールを書き換えることで、ゴルフはまだまだ上手くなれます。
面白いというと言い方は変かもしれませんが、体が強くて柔軟性を持った若い人でも、クラブの使い方が間違っていれば、永遠にカット軌道が直らないわけです。

だからゴルフの原理原則としては、正しいゴルフクラブの使い方、要はクラブはちゃんと引っ張って使うもの、ということを理解しておけば、あとは肉体や運動能力次第ということになります。

年齢を重ねていくなかで、ゴルフを上達するための優先順位としてはどこまでいってもクラブの使い方をまずは覚えることです。それを理解したうえで高みを目指すなら体の能力を上げることです。

どこまでいっても、棒を振るという行為がゴルフにとって一番大切なことです。その上に筋力や柔軟性があればさらに上を目指せるということを理解してください

解説/森守洋

もり・もりひろ。1977年生まれ。静岡県出身。堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのツアープロを指導。原理原則を謳い文句にゴルフスウィングの核心に迫る

週刊ゴルフダイジェスト2026年9月22日号より