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【“ヒール浮かせ”アプローチの極意】藤田寛之<後編>「パットのように真っすぐ引いて真っすぐ下ろす」

昨シーズン、PGAツアーチャンピオンズ(米国シニア)にフル参戦した藤田寛之。そんな藤田が米国で身につけた“ヒールを浮かせた”アプローチについて、引き続き教えてもらった。

PHOTO/Yasuo Masuda、BKコーポレーション THANKS/葛城GC

1969年6月16日生まれ。福岡県出身。レギュラーツアーで23年間、シード選手として活躍。ツアー通算18勝を挙げ、2012年には賞金王にも輝く。2023年、日本シニアオープンを制覇。2024年の全米シニアオープン2位の成績で2025年はPGAツアーチャンピオンズにフル参戦を果たす。今季は国内シニアツアーを主戦場に戦う。葛城GC所属


>>前編はこちら

パットのストロークに
近いからミスが減る

最大のコツであるヒールを浮かせたセットアップができたら、あとはどう打つかだ。

「振り方はとてもシンプルです。パットと同じようにストレートに振るだけです。ポイントを挙げるとすれば、腕の五角形(三角形でもいい)を崩さないことです。手元、両ひじ、両肩を結んだ五角形をキープしたまま、テークバック、インパクト、フォローのイメージです。クラブと体が同調していれば、トップやダフリといった入射角のミスは防げます。手先や手首は使わないことが大事です。 

ボクがアマチュアにおすすめする最大の理由が、パットのような打ち方にあります。真っすぐ引いて真っすぐ下ろす打ち方は非常に簡単です。これだけでミスヒットは大幅に減らせるはずです。 また最下点をコントロールできないアマチュアでもパットのように振れば、ボールが確実に拾えます。大きなミスにならないのでスコアもまとめられるでしょう」 

Point 01
腕の五角形を崩さない

「手元、ひじ、肩が作る五角形を崩さずに振ることが大事です。手首や手先を使うと五角形が崩れやすくなります。ポイントは胸をしっかり回すことです。胸が回れば五角形はキープできます」


Point 02
真っすぐ引いて真っすぐ下ろす

「パットのストロークのようにストレートな軌道のイメージです。真っすぐ引いて真っすぐ下ろせば、ミスヒットも減らせます。パターのように振るので長い距離は打てないと実感できるはずです」

Point 03
上からドンではなく横から払い打つ

「ヒール浮かせアプローチは、上からダウンブローに打ち込みません。横から払い打つイメージになります。ヘッドが緩やかに入るため、ボールを拾いやすく、ミスヒットになりにくいです」

Point 04
当たりが少し軽くなる

「ヒールを浮かせて打つと結果的に芯を少し外します(トウ寄りに)。よって、当たりも少し軽くなります。これがボールが柔らかくなる理由のひとつ。基本は芯で打つイメージでいいです」

Point 05
トウ側のソールを
滑らせるイメージ

「ボクのイメージではトウ側のソールを滑らせて打つ感じです。ウェッジに施されたグラインド(ソール形状)は、トウ側のソールも滑りやすい工夫がされているんです。たぶん……」

ミスが少ないと
距離感も作りやすい

「ヒール浮かせ」アプローチのセットアップ、スウィングまで教えてもらった。次は距離感だ。アプローチでは生命線となるが、距離感を作るうえで注意すべきこととは?

「先に述べた通り、ボクは日本ではヒール浮かせアプローチはあまり使いません。その理由はかなりショートするからです。日本のコーライは抵抗が強いため、余計にショートします。であれば、いつものアプローチのほうが確実ですし、ピンに寄せられます」 

それでも「ヒール浮かせ」アプローチはアマチュアにはおすすめだと言う藤田。

「ボールが飛ばないためショートするわけですが、その感覚で練習すれば距離感は作れます。ヒール浮かせアプローチは打ち方がシンプルです。ということはミスヒットが少なく、いつでも安定したインパクトでボールが打てます。スピン量のバラつきも少ないですから距離感は合わせやすいはずです。 ただ限界はあります。58度のウェッジなら30ヤードまでです。それ以上は番手を上げて対応するといいでしょう」

Point 01
ボールが飛ばないので
しっかり振っていい

「ヒール浮かせアプローチは、ボールが飛びません。これはいいことなんです。しっかり振っても飛ばないのであれば、インパクトで緩むことも少ないです。飛ばない感覚に慣れることが大事」

Point 02
インパクトが安定し
距離感が作りやすい

「ヒール浮かせアプローチはミスヒットしにくく、インパクトが安定します。再現性が高いほど、距離感は作りやすいですから、練習を繰り返せば、精度の高い距離感が作り出せます」

Point 03
アップライトに振るため
フルショットは無理

「ストロークのように打つヒール浮かせアプローチは、アップライトな軌道になります。そうすると大きく振れないとわかるはずです。無理に距離を出そうとするとミスしやすいので注意です」

Point 04
スピン量が一定になり
ランが計算しやすい

「ヒール浮かせアプローチはヘッドの入射角、ロフト角、フェースの向きが安定します。ということはスピン量のバラつきが少なく、ランが計算しやすいです。これも距離感を作る手助けになります」

Point 05
ウェッジからアイアンまで
番手で距離を作る

「グリーン周りのアプローチでもピンまで30ヤード以上、距離があることもあります。そういう場合は番手(ロフト角)を上げて対応すればいいです。7番アイアンまでは使えるはずです」

簡単な打ち方でも
練習は不可欠

「ヒール浮かせ」アプローチの最後は、藤田おすすめのドリルを2つ紹介しよう。

「アマチュアはグリーン周りでトップやダフリのミスが多いですよね。そのミスを回避したいならヒール浮かせアプローチはハマると思います。ヘッドの入射角が多少ズレてもボールを拾えるからです。そのために必要なのは、クラブと体を同調させること。両わきにタオルを挟んだまま、ボールを打つドリルならその感覚が身につくはずです。 

それと並行してやってほしいのが最下点のコントロールです。アプローチに限らず、アイアンもウッドも狙った場所にヘッドを落とせるかが最重要課題です。ウェッジならソールを滑らせるように狙った地面を叩いてください。このドリルだけで最下点は驚くほど安定していきますから」

Drill 01
両わきにタオルを
挟んで落とさない

「両わきにタオルを挟むと腕と体が一体化します。その感覚のままボールを打ちます。ポイントはフォローまでタオルを落とさないこと。これができればクラブと体の同調はバッチリ」

Drill 02
狙った場所にヘッドを落とす

「ショットの究極はコレです。狙ったところ(ボールの横)にヘッドを落とす。アマチュアの8割はこの最下点コントロールが苦手です。ボールを打たなくても上手くなれますから」

週刊ゴルフダイジェスト2026年8月18・25日合併号より