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森守洋「レッスンは受けるな」Vol.29 グリップは、極論を言えばどんな握り方でもOKです


堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのプロを指導する森守洋が、自身が行きついたゴルフスウィングの本質を語り尽くす。

PHOTO/ARAKISHIN

>>前回のお話はこちら


File.29
グリップについて


極論を言えばどんな握り方でもOKです

定期的に全国のコーチやインストラクター、いわゆる『レッスン』を生業にしている人たちに向けて森ゼミというみんなでレッスンについて勉強していきましょう! という趣旨のセミナーを開催しています。

『レッスンを受けるな』という本連載をやらせてもらっているのに変な話かもしれませんが、改めてお伝えしておきますと、当たり前ですがレッスンを否定しているわけではありません。ただ、人間が誰でも持っている感覚や能力を使えば、ゴルフはもっと楽に上手くなれるし、自分に必要のないレッスンは受ける必要はないのではないかと。

道具の使い方を学んだら、あとは子供のようにクラブと戯れ素振りする、それだけでも素晴らしいスウィングは作れるのではないかと。

話が脱線しましたが、そのセミナーの中でよくグリップの質問が出ます。グリップは確かにクラブと体をつなぐ唯一の接点で重要な部分ではありますが、握り方に関しては結論から言うと、どんな形でも問題ありません。



昔は左手小指の下の辺りの手のひらにマメを作れとか言われた時代もありましたし、インターロッキングが流行ったり、オーバーラッピングが人気になったりと様々ありますが、手のひら、いわゆるパームで握っている強い選手はいますし、フィンガーで握っている強い選手もいます。ですので結論はどっちでもいいんです(笑)。

グリップを支点と考えてクラブを引っ張ることさえできていれば、飛距離は落ちるかもしれませんが極論クロスハンドだっていいんです。もちろんキレイなグリップを基礎知識として教えることは悪いことではありませんが、こう握らなきゃダメだと教えるレッスンは、リスクも伴います。難しいのは、それがハマる人もいますがハマらない人もいるわけでして。ですので、握り方に関してはクラブを引っ張れていれば本当になんでもいいんです。

この連載でくどいくらい話している「引っ張る」ことの重要性ですが、「クラブを引っ張るために」という観点でグリップの話をするとすればそれは圧力です。スウィング中にグリップ内の圧力は自然と変化するものです。

昔は左手の中指、薬指、小指の3本をしっかり握れと言われた人も多いのではないでしょうか。プロの中には指が白くなるほど強く握れと明言する選手もいます。要はなぜその3本を強く握れと言うかというと、インパクトエリアでエネルギー圧力がその3本に集中的にかかってくるからです。

ただ、それはインパクトエリアに限って起きていることで、例えばアドレスからずっと左手の3本を強く握っている人にはトップでクロスしていることが多く見られます。インパクトエリアでは最も重さを感じるから自然と強く握る。芝の抵抗も加わるので、無意識にしっかり握る感覚になるはずです。それを「グリップは左手3本をしっかり握るものだ」と表現することになるわけです。

ただし、やはり人の感覚はそれぞれ。何も握る感覚がなくゆるゆるで指を引っかけているだけの選手もいます。力もうがユルユルだろうが、要はクラブを引っ張れていればなんでもいいよということになります!

グリップに関しても“こうでなければダメ!”と言うことが一番危険なことだと思います

解説/森守洋

もり・もりひろ。1977年生まれ。静岡県出身。堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのツアープロを指導。原理原則を謳い文句にゴルフスウィングの核心に迫る

週刊ゴルフダイジェスト2026年9月8日号より