フィニッシュでバックフェースが目標を向く。これが究極のフェース面の管理術【コントロールショットの真髄・後編】
週刊ゴルフダイジェスト
いぶし銀とはまさに彼のことだ。47歳にしてレギュラーツアーで奮闘しつつゴルフ場で副支配人として勤めているツアープロの遠藤彰。仕事もゴルフも彼の生命線はなんといっても正確性の高さ。その秘密は右手にも装着するグローブに隠されていたのだった! 後編も引き続き、コントロールショットの真髄に触れよう。
PPHOTO/Tadashi Anezaki THANKS/セブンハンドレッドクラブ


解説/遠藤彰プロ
えんどうあきら。1979年生まれ。 山形県出身。中学を卒業しカナダにスキー留学をするほどの腕前だったが怪我で断念。2004年にプロ入りして今年から所属コースの副支配人も努めている
>>前編はこちら
- いぶし銀とはまさに彼のことだ。 47歳にしてレギュラーツアーで奮闘しつつゴルフ場で副支配人として勤めているツアープロの遠藤彰。 仕事もゴルフも彼の生命線はなんといっても正確性の高さ。 その秘密は右手にも装着するグローブに隠されていたのだった! PPHOTO/Tadashi Anezaki THANKS/セブンハンドレッドクラブ 解説/遠藤彰プロ えん……
体重移動が手打ちを
防ぐ効果的な手段
GD 左右の手の役割、特に右手は極力使わず添える程度ということでしたが、左手でスウィングを作っているということでしょうか。
遠藤 そうではなくあくまで手打ちにならないことが重要なのです。ボールをコントロールするうえで大事なポイントは、やっぱり下半身の使い方になってきます。ボクは両ひざにゆとりを持たせてスウィングをしていきます。そのなかでもダウンスウィングからの動きが重要だと思っていて、左ひざにしっかり体重を乗せて体の左サイドでダウンスウィングからインパクトまでの体重を受け止める感覚を持っています。
GD 左ひざをクッションのように使うのですか。
遠藤 ボクが左ひざを曲げる理由は、ダウンスウィングからの体重を受け止めることと、もうひとつ体の上下動を少なくしたいという理由があります。でも最近の若い選手は体の回転力を上げるためにダウンスウィングで左ひざを曲げてインパクトからフォローにかけて伸ばすように使ったりしますが、ボクは違います(笑)。
GD 左に体重を乗せるときのコツはありますか。
遠藤 これはスキーの経験から気づいたことですが、スキーで左にターンする時はお尻から左サイドへ重心を持っていくんです。その際に頭を残す意識が大切なんですが、これってゴルフのダウンスウィングと同じじゃないかって気づいたんです。
GD 上半身などの手を意識すると手打ちになってフェース面をコネてしまうから、下半身主導でスウィングをするということでしょうか。
遠藤 その通りです。下半身が動いてから腕や手などの上半身が連動して動いてくる。そんなイメージを作ってほしいので、スキーのターンをイメージできる人は取り入れてくれるとうれしいです。

Point 1
左足で体重を受け止める

左に体重を乗せようとすると上半身が突っ込む形になりやすいので、イメージ的には両ひざをサイドにスライドさせる感覚。その動きに引っ張られるようにクラブを下ろす
Point 2
左ひざを伸ばすのは飛ばすための動き

両ひざを曲げているから体重を受け止めやすくなる。左ひざを伸ばす動きは回転力を強めるのに効果的だが、インパクトエリアのヘッドの動きが不安定になるリスクがある。上半身から打ちに行くと右肩が突っ込んだり、左腰が引ける動きになり手打ちを助長してしまうのでNG
徹底的にフェース面を
返す動きは入れない
遠藤 ボクの場合はフェード打ちということもありますが、基本的にフェースを返す動きを入れないようにしています。そのためインパクト前後でフェース面をできるだけ長いゾーンで動かす意識が強いので、この動きをフィニッシュまで極端に意識することでアイアンのバックフェースがターゲット方向を向く感じになります。
GD それほどフェースを返す動きを使わないのですね。
遠藤 そうです。スウィングはフェース面が変わらないよう、手の動き特に右手の動きを抑えて下半身を使って振っていきます。ちなみにドローを打つときは、ボールを少しつかまえる必要があるのでフェースを返すとまでは言いませんが、フィニッシュでバックフェースを目標へ向ける意識までは要りません。
GD コネる動きはしないということですね。
遠藤 利き手が右手なので使いやすいから動きを抑えるくらいがちょうどいいです。だからこそ手の動きを抑えるために、下半身から上半身へと順番に丁寧に回転する意識をしていくことが方向性を整えるうえではとても大事なポイントです。
Point 1
体の正面からクラブが外れないように振る

体の正面に腕とクラブが常にあり続ける状態で振ることができれば、フェース面は余計な開閉をすることなく安定した動きになる
Point 2
左右の手の関係性を変えずに振る

ボールをつかまえるドローと違って体の回転をより重視するフェード打ちは、スウィング中に左右の腕の位置関係が変わらないように振るのがポイント
Point 3
クラブの慣性に任せるとフェース面は返らない

グリップエンドを支点にしてクラブを左右に動かすとフェース面の開閉が起こらないのがわかる。実際に振る時はライ角が発生するのである程度の開閉は起こるが、クラブを主役に考えるとフェースは返らないのが自然な動き
ヘッドは絶対に
上から入るもの
GD ボールコントロール力を上げるドリルを教えてください。
遠藤 ボクはゴルフを始めたのが遅かったこともあり、すごく古典的な練習をたくさんしてきたと思います。そのなかでも練習場でよくやっていたのが「ボールの後ろ側にテープを貼って打つ」練習です。ヘッドは低く長く動くのですが、その意識が強すぎると下から上へとあおり打ちになってしまい、手前のテープを打ってしまうことがあります。ヘッドはあくまでも上から入るものでそれを習慣づけるとてもいい練習法です。
GD ボールとテープの間はどれくらい離しますか。
遠藤 最初は20センチとか広めにして、慣れてきたら徐々に狭くしてみてください。上から打ちつつ、ヘッドを低く長く動かす練習になるので、方向性が良くなりますよ。
Point 1
ヘッドを上から入れる習慣をつける

練習場のマットだと下からヘッドが入っても気づかずに打ててしまうため、強制的に上から入れる感覚を身につける練習法。粘着性の弱いテープを使用してマットを傷つけない配慮をしよう
Point 2
手の使い方と下半身の使い方を守りつつ

手先でボールに当てようとせずに、今回説明した手の使い方と下半身の動きを意識したうえでテープに当たらないように打つのがポイント
週刊ゴルフダイジェスト2026年8月4日号より


レッスン
ギア
プロ・トーナメント
コース・プレー
書籍・コミック





















