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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.279「バニラチップ」とは、いかに

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今回もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

PHOTO/Tadashi Anezaki

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  • 高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今回もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。 PHOTO/Tadashi Anezaki >>前回のお話はこちら プレーが遅いのは諸悪の根源やと僕が思う、その理由を言います。まずプレー中に自分の時間ばっかり取るわけですから、人に嫌われます。基本的にゴルフのラウンドは……

一緒にラウンドしているお客さんに、アプローチがちょっと怪しい人がいたので、まずパターを振ってもろてから、次にピッチングウェッジに替えて、握りから構えも打ち方も、さっきのパターみたいにして打ってもらいました。
 
要はピッチングウェッジをちょっと吊って構えて、ボールの近くに立ち、トウダウン気味にしておいて、パッティングのストロークで打つ。これをちょっと教えたら、その後のアプローチはほぼ上手くいきました。


そしたら教えた本人が「奥田さん、これ『バニラチップ(またはバニラピッチ)』っていって、最近、流行りの打ち方みたいです」と逆に教えてくれました。
 
名前の由来は、どこかの国では食前にバニラアイスを食べる習慣があって、転じて「最初」とか「初歩的」いう意味でバニラチップ言うてるらしく、しかも「〇〇いうプロが考案したらしいです」と説明されたんですわ。
 
ちょっと待って、いう感じです。こんな打ち方はヒッコリーの時代からやってました。僕らその映像も見たことあるし、僕自身もコロナになる前からやってましたから。アプローチの調子が悪いときとか、ライがめちゃくちゃ悪いとき、すごく簡単で、誰でもできる。多分200年以上前からある打ち方やと思うよって言うと、「そうなんですかぁ」と不思議そうな顔しとりましたけど。
 
まあでもそういうんはよくあることで、棒で球を打つということは昔から変わってない以上、似たような打ち方はどこかで誰かがやっていても不思議やないし、それに名前をつけた人が「我こそが発明者」言うとるケースも多いでしょう。
 
僕が経験した例で言うと、ターンベリーでプレーしたときに、アプローチを8番アイアンで転がしていたら、現地のキャディさんが「それはターンベリーアプローチだ」と言い出すんです、「エイトアイアン、ランニング、ターンべリーアプローチ」みたいな感じで。
 
でもね、そんなん普通にどこでもやってますやんと言いたかった。それこそ「バニラチップ」と一緒で、打ち方が簡単であれば、名前なんてどうでもいいわけですから、黙ってやり過ごしておきました。

「まあでも、どこでも使える簡単アプローチなことに変わりはありません」

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2026年6月30日号より