【キミこそ王子だ】Vol.373 運動能力のスーパー血統を受け継ぐ東北の原石
雑巾王子のキミこそ王子だ!!
雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王子候補は宮城県出身、仙台市立上杉山中学校2年の広橋璃人くん。ゴルフの基本を忠実に再現し、飛んで曲がらない球筋を体得した彼。その極意を武市が解説する。

今回の王子候補
広橋璃人くん
ひろはし・りと ●主な戦歴/2025 日本ジュニアゴルフ選手権12~14歳の部 3位 ●ベストスコア/64(新宇都宮GC) ●練習/毎日1~1.5時間100球 ●トレーニング/週2で下半身と体幹トレーニング
昨年の『日本ジュニア』や3月に行われた『全国中学校ゴルフ選手権』で3位となった広橋璃人くん。実は、祖父は西武ライオンズなどでプレーした広橋公寿選手、そして伯父(父親の姉の夫)が東北楽天ゴールデンイーグルスやMLBのマリナーズなどで活躍した岩隈久志選手、そして父親も独立リーグでプレーした野球一家だ。そんな著名な親族を持つ璃人くんは自分の道を進んでいる。
「野球やらなかったの?」
おそらく100万回は聞かれているだろう質問を武市もする。
「もちろんやりました。でも下手すぎてやめました(笑)」
ゴルフは小2のとき、父親の練習について行ったのがキッカケ。
「最初は当たらなかったですが『ゴルフは楽しい』と思いました」
「それも素質! 楽しいと思えば自然と向上心も生まれるからね」
どうやら璃人くんは、動いているボールよりも止まっているボールを打つ素質があったようだ。
実際球を打ってもらうと武市はそのことを再確認した。
「グリップはベースボールグリップなんだ(笑)」
「はい、最初からこれが一番しっくりきました」
得意クラブはドライバーで飛距離は約270ヤード。
「確かに飛ぶ。でも全国大会レベルだと、飛ばし屋がわんさかいる。そのなかで、成績上位に食い込む
には、曲がらないことも重要になるけど、璃人くんは飛ぶけど曲がらないのが素晴らしいね。理由はクラブの使い方がアプローチからドライバーまで一貫していることだと思う。よく『ドライバーはアプローチのスウィングの延長線上だ』って言うでしょ。それは、ゴルフの基本ともいえるんだけど、実践しようとしているアマチュアは少ない。その点、璃人くんは全スウィングに一貫性がある。注目はフェース面がネジれないところ。例えば、右手に持ったボールをその辺にポイッと投げるとする。そのとき手のひらの面をあらぬ方向に向けたり、手首のスナップを利かせたり腕力を使う人はいないよね。それってゴルフのアプローチも一緒だよね。でも、番手が大きくなると飛ばしたい欲が出て、みんないろんなことする。そうせず、ちゃんとコントロールしているのが璃人くん。ドライバーも腕力に頼らず体の回転力で振っている。意識的に手首のローテーションをすることもない。フェース面が開閉しないから曲がらず、番手ごとの距離感もバッチリ。もちろん、体幹がしっかりしていないと体を速く回転させることができないから飛距離は出にくい。だけど璃人くんは日頃の努力の成果もあって体幹がめっちゃ強く、高速回転もお手のもの。その結果、あれだけの飛距離が出せるんだね」
練習は100球ほどと多くはない。その代わり、体幹トレーニングは週2で行っている。その努力が武市に認められうれしそうな璃人くん。最後に「将来の目標はマスターズで優勝することです!」と力強く語ってくれた。
「夢はでっかいほうがいい!」と背中を押す武市であった。

週刊ゴルフダイジェスト2026年6月23日号より


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