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【猛暑ゴルフ対策の緊急提言】<後編>名門コースでも裾出し容認の流れ。一方で「かっこ悪い」の声も

年々、厳しさを増す日本の夏。ゴルフをするにも熱中症の危険がつきまとう時代に。シャツを出すだけで熱中症が防げるのならば、試さない手はない。後編では、ゴルフ場の酷暑対策について話を聞いた。

PHOTO/ Yoshihiro Iwamoto、Akira Kato、Getty Images

>>前編はこちら

名門コースでも裾出し容認の流れ。
JGAも裾出し推奨の声明文を発表!

夏季の裾出しは一部のコースで容認されてはいるが、一方でそうではないコースがあるのも事実だ。その現状についてゴルフ場コンサルタントの菊地英樹氏に話を聞いた。

「シャツの裾出しで熱中症リスクが下がるエビデンスがあるので、本当に暑い時は裾を出してプレーするべきだと思います。しかしメンバーコースなどは夏場の裾出しが認められていないところもあります。そういうところは年配の方も多く、その意味では本末転倒なのかなと感じますが、メンバーでない我々が口を出すのも筋違いな気がします。ゴルフも時代で少しずつ変わるなか、なんでも時代に迎合するのは間違いですが、裾出しは命に関わることなので変わってもいいと思います」(菊地氏)


そんななか、日本を代表する某名門コースが夏季の裾出しを認めていた。その経緯を支配人に聞いた。

「シャツを出すと体感温度が3〜4度変わるというメンバーさんからの提言があり、昨年に初めて導入しました。今年も6月半ばから9月半ばまでの期間限定でプレー中に限り、裾出しを認める予定です。『かっこ悪い』という方もいますが、健康に関することなので強い反対意見は今のところありません。実際、裾を出すのがカッコ悪いと思われている方はシャツを入れてプレーしています」(某名門コース・支配人)

ところで、裾出し以外にも酷暑対策として、全国のコースでいろいろな工夫が行われている。そのひとつが最近人気の“クーラーカート”だ。
埼玉県内にある株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイドの4コースでは今年の5月下旬から順次クーラーカートの全台導入を決めた。その背景にはプレーヤーからの好評の声があったようだ。

「昨年、4コースのうちの武蔵丘GCと久邇CCの2コースでクーラーカートを全台導入したところ、7、8月の来場者が前年比で10%アップしました。お客様からも『ラウンド中、とても涼しかった』と大好評をいただき、今年から新武蔵丘GCと西武園ゴルフ場でも全台導入を決定しました」(同社・埼玉ゴルフ担当者)

酷暑対策は数あれど、そのなかで最も手軽で、なおかつ効果もある裾出し。2023年には、日本ゴルフ協会が発表した熱中症対策のための声明文において、プレー中のシャツの裾出しを推奨している。これは、いわば裾出しに“お墨付き”を与えたといっても過言ではない。それからはや3年が経過するが、日本のゴルフ界に浸透したとは言い切れず。夏季の裾出しが“当たり前”となる日はやって来るのだろうか。

よく耳にする「夏日」(25度以上)、「真夏日」(30度以上)、「猛暑日」(35度以上)という表現に加え、今年4月に「酷暑日」(40度以上)という用語が気象庁により追加された
※写真はイメージです。

昨年は関東以西で暑さ指数「31」以上続出

暑さ指数とは、熱中症を予防する目的で1954年にアメリカで提案された指標。気温だけでなく、湿度、日射・輻射の3つの要素を取り入れられている。コースによってはこの数値を参考にし、31を超える場合はハーフターンの休憩義務などを設けているところもある

※出典:(公財)日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」(2019)より

酷暑対策を進めているコースも

西武系4コースで全台クーラーカート導入

今年から西武・プリンスホテルズワールドワイドの武蔵丘GC、新武蔵丘GC、久邇CC、西武園ゴルフ場の埼玉4コースで5月下旬より順次クーラーカートを全台導入する。クーラーの温度は5度〜26度で、6段階の風量調節が可能。暑い日でも快適なラウンドを楽しむことができる。また追加料金などが発生しないのも嬉しい

夏季の裾出しを認める超名門コースも

埼玉にある日本屈指の名門コースでも昨今の酷暑を受けて、昨年から夏季の裾出しを認めている。いくら歴史あるコースといえど、命に関わる問題というだけあってそれだけ柔軟にならざるを得ないのもうなずける。ただし、メンバーのなかには「カッコ悪い」とあまりいい顔をしない人もいるのだとか

日本ゴルフ協会(JGA)が夏季の裾出しを推奨
2023年、日本ゴルフ協会は熱中症対策のための声明文を発表。そのなかでプレー中のシャツの裾出しを推奨している。これを受けて、一部のコースでは夏季のドレスコード緩和の動きも見られたものの、依然としてシャツの裾出しが認められていないコースもある

週刊ゴルフダイジェスト2026年6月16日号より