森守洋「レッスンは受けるな」Vol.15「“グリップを牛耳る”人は思い通りに振り下ろしにくい!?」
森守洋「レッスンは受けるな」
堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのプロを指導する森守洋が、自身が行きついたゴルフスウィングの本質を語り尽くす。
PHOTO/ARAKISHIN
>>前回のお話はこちら
- 堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのプロを指導する森守洋が、自身が行きついたゴルフスウィングの本質を語り尽くす。 PHOTO/ARAKISHIN >>前回のお話はこちら File.14打つ前の思考 今日の晩御飯は何食べるか考えたほうが上手くいく!? 前回、上手くなる人とならない人の差についてお話をしました……
File.15
オンプレーン
“グリップを牛耳る”人は
思い通りに振り下ろしにくい!?
今回はグリップについて話したいと思います。グリップはクラブと体を結ぶ唯一の接点です。それだけにとても重要な部分ですが、ゴルフのスウィングにおいて最も大切な「引っ張る」という動きをつかさどる部分でもあります。
グリップには、スクエアやフックなど握り方は様々ありますが、人それぞれで自分がボールを叩きやすいと感じる握り方でいいと思います。ただ、気持ち良く叩いたり、振るために必要なのがグリップの脱力です。要は脱力していなければクラブを引っ張ることができないからです。
僕は「グリップを牛耳るな」という表現をよく使います。簡単に言えば力むなということです。グリップは手のひらと指で包み込むように握りますが、それは力の加え方や入れる箇所によって360度どこにでもクラブが動かせることを意味します。
牛耳るとは本来、自分の思い通りに支配するとか、指揮するといった意味がありますが、ゴルフのスウィングにおいては牛耳ってしまうと逆にクラブの動きは支配できなくなることがあります。理由は、何度も言いますが、クラブを引っ張れなくなるからです。
特に切り返し以降、ダウンスウィングでグリップを牛耳るとヘッドの動きはコントロールできなくなります。ただ、バックスウィングに関しては牛耳っても問題はありません。 アーリーコックで始動する人なんかは牛耳っているタイプですが、ダウンスウィングで引っ張ることさえできれば、クラブなんてどこに上がってもいいんです。
基本的に物体は引っ張られた方向にしか動きません。多くの人はオンプレーンという言葉に憧れてクラブの動きを制御してプレーンに乗せようとしますが、引っ張ることができればヘッドの動きなんて考えなくても勝手にオンプレーンになります。
例えば鉛筆で真っすぐな直線を描く時、引くのと押すのとでは引く描き方のほうが真っすぐでキレイな直線を引けますよね。また、変に力を入れすぎていると引っ張ることができませんよね。ペン先をどう動かそうなんて考えなくても、鉛筆を引っ張るように動かせば真っすぐでキレイな線が書ける。
ゴルフのスウィングも鉛筆でキレイな直線を引くのと同じ原理なんです。余談ではありますが、左利きの人が正しい書き順で文字を書いているとき、見た目にぎこちなく感じたことはありませんか? あれは、根本的に文字の書き順は右利きの人の引っ張る方向になっているからで、左利きの人は押しながら書くしかないからです。
押すから動きがぎこちなくなるしキレイに書くことも難しい。ゴルフのスウィングに置き換えると、ダウンスウィングで引っ張らずに押している、いわゆるアーリーリリース状態ということです。グリップを牛耳っていてもそれなりにクラブを振ることはできます。
ただ、思うように動かすことはできません。猛練習を積み重ねても引っ張れていない限りできるようになることはありません。小さい子どもが驚くようなオンプレーンでクラブを振れるのは、重くて長いので引っ張ることしかできないからです。
では、大人はどうすれば引っ張れるようになるのか。単純に脱力さえしていればいいのか。スウィング中、グリップ内の力のかけ方は変化しますが、グリップの力感に関してはまた次回お話ししたいと思います。


解説/森守洋
もり・もりひろ。1977年生まれ。静岡県出身。堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのツアープロを指導。原理原則を謳い文句にゴルフスウィングの核心に迫る
週刊ゴルフダイジェスト2026年5月26日号より


レッスン
ギア
プロ・トーナメント
コース・プレー
書籍・コミック




















