【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.269「インパクト音に表れる感性」
奥田靖己「ゴルフはつづくよどこまでも」
高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今回もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。
PHOTO/Tadashi Anezaki
>>前回のお話はこちら
- 高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今回もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。 PHOTO/Tadashi Anezaki >>前回のお話はこちら ちょっと前にミラノ・コルティナ冬季パラリンピックが終わりましたが、冬季はもちろん夏季大会でもゴルフはパラリンピックの競技種目には入っていません。……
先週に続き、ゴルフで音が大事という話です。僕らの若い頃に、先輩の山本善隆さんがよく「音は大事やで」と言うてました。アイアンでボールを上手くコンタクトしたときの音を聞くと、「キレてるな」と感じるもんです。
逆にダフったときの音なんかは誰でも同じ音がします。橘田規先生がよう言うてましたわ。「土の音しかしてないやないか。球を打たんかい!」。だからインパクトの音を聞いておれば、打ったその人の調子のよさや腕前なんかもだいたいわかるもんです。
ドライバーの場合は、ヘッドの素材によって音が違いますけど、「カチーン」いう甲高い音を出すんがありますよね、あれは僕らは嫌なんです。逆に、ちょっと潰れた「グシュッ」いうインパクト音は、無駄なスピンがなくてボールが重く飛んでる感じがするので好きです。だから、甲高い音がするドライバーなんかは、中にジェルを入れたりして消音させている選手もいますよね。
昔、岡山に、インパクトのときに自分で「シュッ!」と音を出しているプロがおったんです。練習場で先輩プロの後ろの打席で、「シュッ、シュッ」言うもんやから、そのうちその先輩に「いちいちシュッ、シュッうるさい。黙って球を打たんかい!」と怒られとってね。プロゴルファーでこんな人おるんと思うて笑いました。
しかし、そのプロはなんのために「シュッ!」と言うてたんでしょうかね。タイミングを合わせるためか、クラブを走らせるためか、インパクトだけシュッといけばなんとかなるやろと思ったんでしょうか。
インパクトの音は打ったという感覚を感じる重要なポイントです。たとえば、ボウリングでピンを弾く「バーン」いう音、これがあるから投げる加減や方向性に関する微調整を次からの投球に反映できるし、何よりあの音を聞くと「やった!」と思うやないですか。この成功体験みたいなものが脳を喜ばせ、次のパフォーマンスに良い影響を生むんやないかと思います。
自分で「シュッ」言うんも、そういったリハーサル効果みたいなもんがあるのかしれません。

「インパクト音で成功体験を作ることもできるんやと思います」

奥田靖己
おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する
週刊ゴルフダイジェスト2026年4月14日号より


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