森守洋「レッスンは受けるな」Vol.10 ジュニア育成における“親の役割”とは?
森守洋「レッスンは受けるな」
堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのプロを指導する森守洋が、自身が行きついたゴルフスウィングの本質を語り尽くす。
PHOTO/ARAKISHIN
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ジュニアの育て方
余計な知識の押し付けは危険
男子ツアーもいよいよ国内戦が開幕します。
男女含めて今年はどのような新しい選手が出てくるのかが楽しみですが、ジュニアの育成について前々から感じていたことがあったので今回はそれについてお話しします。
結論から言うと『親父最強説』(母親でもよい)。
世界で活躍してきた、もしくは世界で活躍しているアスリートの多くが父親に育てられている事実があるという意味です。コーチではなくて父親が育て上げている。ゴルフ界でいえばタイガー・ウッズ選手が代表的ですし、中嶋常幸選手や丸山茂樹選手もそうですね。
他のスポーツでいえばボクシングのメイウェザーにサッカーのリオネル・メッシも父親によって育て上げられたのは有名な話です。
もちろん、残念ながらその逆もあり親によって壊された選手も多くいるとは思います。それでも父親によって育てられた世界一の選手が多いことは事実です。
ゴルフというスポーツにおいては、コースへの送り迎えなどが必要になるため子どもと接する時間が長くなる点で、他のスポーツと比べて親の影響が顕著に出る傾向があります。
確率論とも言えますが、子どもを見守り続ける時間が極端に長くなるため物理的に親の影響というものを大きく受けるのが、ジュニアゴルファーの特徴と言えるのではないでしょうか。
私が最近の選手の中で一番の成功例だと感じているのは山下美夢有選手かもしれません。直接、詳しく話を聞いてはいませんが、外から見ている限りではお父さんが山下選手に細かく指導している光景を見たことがありません。
僕は「親は口出しをするべきじゃない」と言っているわけではなく、ゴルフを上手くさせようとして余計な知識を押し付けることが危険だということを言っているのです。接する時間が長いだけに、結果がいい時も悪い時も愛を持って見守り続けることが何よりも大切なことだと思っています。
そこで親が余計な知識を押し付けなくても済むツールがトラックマンなどの解析器ではと感じています。親は客観的な数字を見るだけでいい。父親がゴルフの技術や経験があり、なまじっか知識があるとどうしても「トップでクロスしているからダメ」とか「ダウンでもっとインサイドから振り下ろせ」など、さもありなんの知識をベースにした指導をする傾向がありますが、そうではなく「ここさえ良かったらいいんだよ」という感じで、客観的数値を見ながら、守らなければいけない部分だけを教えることが必要なのではと考えます。
ゴルフのスウィングというのは、極論を言えばクラブの動きさえ良ければいいわけで、それだけで良い球が打てるし上手くなる。トラックマンなどの存在によって、目指すべき答えが可視化されたことで、ジュニアの育成に関していえば昔と比べると断然上手くさせやすくなっているはずです。
実際、プロの世界の平均スコアはそれほど変わっていませんが、ジュニアの平均スコアはかなり上がっています。
昔のジュニアの試合なんかは、スタートホールで何人もOB連発していきなり詰まるなんてことはザラにありましたが、今はそんなこともほぼなく本当にみんな上手くなっていると感じます。
子どもの才能を伸ばしてあげられるか否かは、親の大切な仕事であり、そのための環境を作ってあげることが親の本当の仕事なのではないかと感じる今日この頃です。
全英女子オープンでメジャーチャンプになった山下美夢有選手は、ゴルフを始めたときからずっと父親から指導を受けてきたが、父親は当初ゴルフ未経験だったという


解説/森守洋
もり・もりひろ。1977年生まれ。静岡県出身。堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのツアープロを指導。原理原則を謳い文句にゴルフスウィングの核心に迫る
週刊ゴルフダイジェスト2026年4月14日号より


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