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【藤田寛之の米シニア挑戦記】Vol.37「チャンピオンズの選手はアイアンが精度が抜群でした」

2025年から米シニア(PGAツアー チャンピオンズ)に挑戦している藤田寛之が、現地での生活や試合の様子をレポート!

PHOTO/BKコーポレーション

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今週はPGAツアーチャンピオンズに出場する選手たちの技術について、ボクが感じたことをお伝えします。

まずは飛距離です。ボクは日本のシニアでは真ん中の飛距離でしたが、チャンピオンズでは一番飛ばないくらいでした。ボク以外の選手はみんな体が大きいですから、体格や筋力の影響もあるでしょうが、飛ぶ選手が多いです。


もうひとつが、チャンピオンズの選手はみんなよく練習することです。ラウンド後、日が暮れるまで練習する選手がたくさんいました。B・ランガー、E・エルス、V・シン、S・シンクなどは、すごく練習していましたね。

技術面で考えると、やはりアイアンショットの精度の高さです。今年のダブルス戦でチームを組んだ、チャンピオンズでも一番身近な選手であるKJ(チェ・キョンジュ)さんは、いつもアイアンショットの重要性を語っていました。チャンピオンズの選手は、みんなボールが止められます。だからアンジュレーションが強いグリーンでも、硬く締まったグリーンでも、タイトなピン位置でも、狙った場所にしっかりボールを止めてきます。この技術の差が最も大きかったです。

たとえば同じ高さ&飛距離で飛んだとしても、ボクのボールは止まらないんですよ。以前、KJさんのゴルフアカデミーに行きましたが、そこに土の打席があるんです。そこで練習しているそうですが、土の上で打つからこそ、止まるボールが打てるんだと実感しましたね。

アメリカの芝は日本と違い、ボールが沈みます。グリーン周りのペタペタな花道を想像するとわかりますが、そういうライでは、ボールをクリーンにとらえる技術が必要です。これはひと言で言えば、ヘッドの入れ方になりますが、入射角やスピン量がどう、というレベルの話ではないんです。アメリカのコースを回ったことがあるゴルファーじゃないと伝わらないでしょう。KJさんも含め、チャンピオンズの選手はみんなヘッドの入れ方が上手い。とくにランガーやM・A・ヒメネスのアイアンはキレ、ラインの出方、距離感、すべてが素晴らしかったです。

国内シニアは宮本勝昌が3年連続賞金王

国内シニア最終戦「いわさき白露シニア」が終了し、宮本勝昌選手が3年連続の賞金王を獲得。60台前半を出せるゴルフならチャンピオンズでも十分通用するでしょう

藤田寛之

1969年生まれ、福岡県出身。葛城GC所属。レギュラーツアーで23年間シード選手として活躍。ツアー通算18勝を挙げ、2012年に賞金王を獲得。2023年日本シニアオープン制覇。今季はPGAツアーチャンピオンズにシード選手としてフル参戦中

週刊ゴルフダイジェスト2025年12月16日号より