都玲華 パーオン率アップの秘密<前編>“ゆるやかダウンブロー”で入射角が安定!
週刊ゴルフダイジェスト
昨年プロテストに合格し、今季フル参戦したレギュラーツアーで初シードを獲得した都玲華。コーチの石井忍プロと取り組んだスウィングのテーマが「ゆるやかダウンブロー」。詳しく教えてもらった。
PHOTO/Hiroaki Arihara、Shinji Osawa、Hiroyuki Okazawa、Tadashi Anezaki THANKS/エースゴルフクラブ、ジャパンゴルフスクール

都玲華 みやこ・れいか。2004年生まれ、徳島県出身。生光学園高校卒。昨季、4度目の挑戦でプロテスト合格。今季はQTランク53位でツアーデビューし、リランキングで8位にジャンプアップ。大東建託所属
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- 昨年プロテストに合格し、今季フル参戦したレギュラーツアーで初シードを獲得した都玲華。コーチの石井忍プロと取り組んだスウィングのテーマが「ゆるやかダウンブロー」。引き続き話を聞いていこう。 PHOTO/Hiroaki Arihara、Shinji Osawa、Hiroyuki Okazawa、Tadashi Anezaki THANKS/エースゴルフクラブ、ジャパンゴルフスクール ……
パーオン率アップの秘密は
入射角の安定
2022年の夏から都玲華を指導する石井忍プロは、
「都選手はアイアンが得意でしたので、アイアンのキレを上げていこうと考えました。そこで目標にしたのが『パーオン率70%』です。現在のスタッツを見ると70%を超えていますので、そこは高く評価できると思います。平均パット数も1.7台は目前ですからデータ的にもまずまずですし、取り組んできた成果は確実に出ています。思い切ってグリーンが狙える、ピンが狙えるゴルフならプロの試合でも十分に戦えますから」
パーオン率を上げるためにどんな課題を与えたのか?
「都選手は体が柔らかく、少しルーズなスウィングでした。いわゆるジュニアっぽい動きです。それをカチッとさせたいというのがあり、まずは安定したスウィングを目指そうと話し合いました。このスウィングの安定こそが、入射角の安定になります。飛行機がソフトランディングするような緩やかな入射角を手に入れること。それを最重要課題にしました。
現在のアイアンはストロングロフトで低重心です。上から打ち込みすぎると芯を外しやすく、球が上がりません。ゆるやかダウンブローはアマチュアにとっても意識してほしいテーマと言えますね」

「適度なダウンブローやすくい打ちだとヘッドの性能は引き出せません。理想は緩やかな入射角。ゆるやかダウンブローならインパクトの再現性が上がります。いつでも同じ高さ&距離が打てるからこそ、ピンを狙えるんです」(石井)
<都玲華の主なスタッツ>
| パーオン率 | 71.2774 | 20位 |
| 平均パット数 | 1.8098 | 31位 |
| パーセーブ率 | 85.6387 | 35位 |
| 平均バーディ数 | 3.2245 | 20位 |
| 平均ストローク | 71.4433 | 20位 |
上から打ち込む必要はない
アイアンに不可欠なダウンブローだが、アマチュアは誤解していると石井プロは指摘。
「プロや上級者はみんな上から打ち込むダウンブローだと考えがちですが、そこまで鋭角な入射角で打っているわけではないんです。小祝さくら選手などは、ダウンスウィングのタメが少なく、リリースも早めです。その結果、緩やかな入射角でボールをとらえています。ゆるやかダウンブローならロフトが安定し、高さも安定します。クラブの性能を最大限に引き出せますし、ショットの精度も飛躍的に上がると言えるでしょう」
では、緩やかな入射角は、どうすれば身に付くのか?
「都選手と取り組むなかでいくつかキーワードを作りました。まずは軸の安定。スウィングは軸がブレてしまうと芯で打てないからです。軸を安定させること。これが最初のキーワードです。そして入射角を決める要素は大きく2つ。右わきの締まりと右足の蹴りです。右サイドをどう作るか? ここがゆるやかダウンブローのカギになります」
ゆるやかダウンブローのポイント①
右わきの締まり

「右わきを締めると手元と体が同調しやすくなります。その結果、インサイドアウト軌道になり、緩やかな入射角に。アウトサイドイン軌道では鋭角な入射角にしかなりません」
ゆるやかダウンブローのポイント②
右足の蹴り

「右足の蹴り方も大切です。ゆるやかダウンブローは、右サイドの高さを保つことが必要だからです。体が水平に動いていくからこそ、入射角も緩やかにできるんです」
Drill 1
目をつぶって素振り

「軸の安定は目をつぶって素振りをするとよくわかります。強く&速く振り過ぎると体のバランスが崩れたことを感じるはずです。軸が安定したなかでクラブを振る感覚をしっかり身に付けましょう」
Drill 2
帽子のつばを意識する

「軸を安定させるとき、頭を固定するのはダメです。固定するとムダな動きが生まれます。軸の安定では帽子のつばを意識するといいです。つばが暴れないようにするだけで軸は安定していくはずです」
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週刊ゴルフダイジェスト2025年12月2日号より


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