【吉田直樹のシャローイングレッスン】第2弾「シャローイング」を極めるには「シャットフェース」が不可欠です【動画あり】
前回、飛距離アップの重要な要素のひとつ「シャローイング」について解説した。しかしシャローイングは、ボールが右に飛びやすい“諸刃の剣”でもある。この悩ましい問題を解決するのが「シャットフェース」。シャローイングと組み合わせることで、飛んで曲がらないスウィングが手に入る!
TEXT/Toshiyuki Funayama PHOTO/Yasuo Masuda、Tadashi Anezaki THANKS/高室池GC
解説/吉田直樹
1978年生まれ。兵庫県出身。幼少期からアメリカで過ごし、世界の有名コーチの指導を受けた経験を持つ。現在は谷原秀人、上井邦裕、石川明日香のコーチを務める。兵庫県・芦屋で室内練習場「ラ・キンタ」主宰
●CONTENTS●
【第1弾】「シャローイング」は“する”ものではなく勝手に“なる”もの
【第2弾】シャローイングを極めるには「シャットフェース」が不可欠
【第3弾】力の方向は“横から上”が正解
【第4弾】“しゃがみ込む”動きを取り入れよう
<前回のおさらい>
「シャローイング」とは…
手の軌道よりもヘッド軌道が下を通る現象
「ボールとグリップを結んだ『手の軌道』よりも『ヘッド軌道』が下を通ること。手元の動きが小さく、ヘッドが速く大きく動くと、シャローイング現象が起こります」(吉田)
シャローイングで右に飛ぶ人は
シャットフェースを意識しよう
GD 徐々にシャローイングの動きができるようになってきたんですが、ボールがつかまらず、右に飛んじゃうんです。
吉田 まったく問題ナシです。シャローイングでシャフトが倒れたら、フェースが開くのは当然。むしろ順調に動きが身に付いてきた証拠なので、次の段階に進むチャンスです。
GD 次の段階とは?
吉田 シャットフェースです。シャローイングで飛ばすには、フェースを閉じる動作が必須。2つがセットになって初めて機能するんです。フェースを閉じるタイミングはバックスウィング、トップ、切り返し、ハーフウェイダウンと4カ所ありますが、ボクのおすすめは切り返しです。
GD そのポイントは?
吉田 右ひじを伸ばしながら、手首の付け根を差し出すように右手を回すんです。動画でも説明していますので参考にしてみてください。
Point
ひじを伸ばしながら右手のひらを右に回す
「最初はクラブを持たずに、右手だけで正しい動作を覚え込ませるのがおすすめ。右手首が背屈されれば、左手首は自然に掌屈されて、フェースは閉じます。シャローイングで空を向こうとする右手のひらを、右に回しながら飛球線後方に向けるように動かします」(吉田)
動画でチェック! フェースを閉じる右手の使い方
シャットフェース習得ドリル
クロスハンドでドライバーを打つ
「クロスハンドに握ると、左手首を背屈してフェースを開く動きがしにくくなるので、フェースをシャットに使う感覚がつかめます。ハーフスウィングからスリークォーターの振り幅で、動きを確認しながら打ちます」
動画でチェック! クロスハンドドリル
正しいハンドファーストは
手の最下点が“右足の前”
「シャローイング」「シャットフェース」と並びもうひとつ、現代の飛ばしにおいて重要なキーワードが「ハンドファースト」。吉田コーチいわく、このハンドファーストを勘違いしている人が多いという。
GD アイアンだけじゃなく、ドライバーでもハンドファーストにインパクトするのが、いまどきのスウィングの新常識になっていますよね。
吉田 そう聞いて「ドライバーもダウンブローに打つのが正解」と、間違って解釈している人が多いんです。ギアの進化とともに、ハンドファーストの認識も変化しています。
GD 具体的にいうと?
吉田 手元とヘッドが同時にインパクトで最下点を迎えるのではなく、手元は右足前で最下点を迎えます。そこから地面を蹴る反力によって、体の左サイドが切り上がり、インパクトに向かって手元は上昇していきます。グリップエンドが引き上げられることで、クラブが加速してリリースが起き、手元は上昇しつつ、ヘッドは最下点に向かう。ドライバーの場合、ロフトを立てたまま、アッパーにとらえることが可能になるんです。
手元は右足前で最下点を迎え
やや上昇しながらインパクトする
ハンドファースト習得ドリル1
スプリットハンドでボールを打つ
「クロスハンドにすると、ヘッドが手元を追い越す動きがしにくいので、ハンドファーストにインパクトする感覚をつかみやすい。手元を引き上げないと手前をダフってしまうので、正しい動きが身に付きます」
動画でチェック! スプリットハンド打ち
ハンドファースト習得ドリル2
芝をこすりながらティーを打つ
動画でチェック! 芝こすりドリル
週刊ゴルフダイジェスト2021年5月25日号より