【キミこそ王子だ】Vol.357 ドライバーからアプローチまで“運ぶように”インパクト! 究極のシンプルスウィンガー
雑巾王子のキミこそ王子だ!!
雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王子候補は、8月に全国覇者となったホットな選手。千葉県出身、袖ケ浦市立昭和中学校3年の高浦維吹くんだ。ショットの質にとことんこだわり、自ら構築したスウィングを武市は絶賛。
PHOTO/ARAKISHIN THANKS/アネックスゴルフ

今回の王子候補
高浦 維吹くん
たかうら・いぶき ●主な戦歴/2025 日本ジュニアゴルフ選手権12歳~14歳の部優勝 ●ベストスコア/63(カメリアヒルズCC) ●練習/毎日2時間300球強 ●トレーニング/特になし
本年度「日本ジュニアゴルフ選手権(男子12〜14歳の部)」で優勝した高浦維吹くんがゴルフに興味を持ったのはなんと2歳! オモチャのクラブを手にすると楽しそうに遊び、かなり上手にクラブを操ったのだとか。
本格的に始めたのは5歳。父親が短く切った大人用のクラブを渡すと、大喜びで、そこからゴルフにハマったと言う。
「5歳でゴルフの楽しさが分かったなんてすごいね」と感心する武市。
「きっとオモチャではなく“自分専用のちゃんとした道具”っていうのが、うれしかったのだと思います」
「分かるわ〜それ」
小学校に上がり、初めて試合に出たときはボロボロだったが、それでもゴルフが好きだという気持ちは変わらずコツコツと努力。その結果、中3で見事全国大会の覇者となった。スウィングを見た武市は
「ボールを狙ったところに運ぶのが抜群に上手い」と絶賛。
「アドレスで、肩と両腕とで作る三角形を体の真ん中にセット。この形がサイコー。めちゃくちゃ収まりがいいんだよね。わきも軽くしまっていて、程よく力強さがありながらも硬さはなくスムーズな始動を想像させる。で、左足を軸に三角形をキープしたま体を回転させ、バックスウィング。トップで曲がった右ひじをインパクト直前でリリースし、そのまま体の回転でフィニッシュ。ボールをバシッとしばくのではなく、右手でボールをトスするようなインパクトなんだよね。
イメージ的にはゴミをゴミ箱に入れるような。ゴミを投げ入れるとき、上や横から腕を振ったりしないでしょ。維吹くんの腕の使い方もそんな感じで、フェース面がヨレる動きが一切ない。ボールが極端に曲がることがなく、ミート率も高い。さらに、それがドライバーからアプローチまですべて一緒なのも効率的でいいよね。アプローチを練習すればドライバーも同時に上達しちゃうみたいな(笑)。クラブごとに打ち方を変えると、それだけ考えることも多くなるし複雑になるのは確か。逆に言えば、全番手同じスウィングにするのが一番シンプルで簡単ってこと。やっぱり、何事も突き詰めると“シンプルイズベスト”なのかな〜って維吹くんのスウィングを見ると思うね」
コーチは父親だが細かいことは言わないそうだ。自分なりに追究し、今のスウィングを構築した。それだけに質へのこだわりも強い。武市がナイスショットと思う打球でも、自分で納得がいかないと満足した表情を浮かべない。
「まだ中3なのに一切の妥協を許さない、熟練職人みたいやね(笑)。将来の夢は?」
「世界で活躍するプロになりたいですが、とりあえず今は焦らず目の前の課題をコツコツとクリアすることに全力で集中したいと思っています」
「控えめで落ち着いた雰囲気だけれども、強い意思と情熱は人一倍だね」
維吹くんのゴルフに対する真摯な姿勢に感動する武市であった
週刊ゴルフダイジェスト2025年10月21日号より


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