Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • 週刊GD
  • 【ゴルフで地域づくり】#2 小田原箱根商工会議所「ゴルフ場を地域資源として活用し、地域の価値を高めていく」

【ゴルフで地域づくり】#2 小田原箱根商工会議所「ゴルフ場を地域資源として活用し、地域の価値を高めていく」

ゴルフを通じた地域づくりの取り組みをしている、NITTAIクラブ横浜、小田原箱根商工会議所、そして、柏ゴルフフェスタ実行委員会をご紹介。ここでは、小田原箱根商工会議所の活動について話を聞いていこう。

PHOTO/NITTAIクラブ横浜、小田原箱根商工会議所、柏ゴルフフェスタ実行委員会、Tadashi Anezaki、Nakaya Nakai

小田原箱根商工会議所会頭
鈴木悌介さん

約3200社の会員がいる。左から、青年部・後藤健太郎氏、青年部・渡辺大介氏、会頭・鈴木悌介氏、専務理事・山本博文氏。地域活性化への想いはもちろん、ゴルフの魅力を理解し深い愛情がある皆さん。「もちろん仕事にも有用です」

チャレンジする、
あきらめない!

神奈川県の“ゴルフ銀座”、小田原・箱根。大自然、温泉、観光、グルメなども魅力的だ。そんな地域の魅力をゴルフを通じて発信すべく、9月15日に地元の商工会議所が「小田原箱根商工会議所大博覧会2025箱根ゴルフフェスティバル」を主催。第2回目の今年は、小田原湯本CCでの開催となった。

会頭の鈴木氏はこう語る。「私たち地域の中小企業は地域経済の血流のような存在であり、私たちが頑張らないと地域が元気にならず、同時に地域が元気でないと私たちも頑張れません。我々の役割は、会員企業の経営課題をお手伝いすることと、地域に人とお金を呼び込み、人をつないでそれを地域内で循環させることです。そのための環境整備こそが“街づくり”なんです」

ゴルフタレント瀬戸晴加さんも参加。「このイベント自体で商売が成り立つわけではない。今後につなげることが大事です」(鈴木氏)

そのためには、箱モノを作るなどではなく、人を感動させ、人をつなぐ力があるスポーツというテーマを重要視しているという。

小田原ではサッカー、ラグビーなどのスポーツの合宿や試合が盛んに行われている。

「ただ、人やお金を動かすためにはスポーツ団体だけではダメで、商店街、観光協会などとの連携が必要。ゴルフにしても、この地域には多くのゴルフ場がありますが、ゴルフをする人にしか価値のない場所になっていた。ゴルフ場はとても整備された安全で美しい場所。これを地域資源ととらえ、ゴルフする人以外にも価値を提供できないかと考えました。コンペを開催しながら、ゴルフをしない家族にも一緒に来ていただき、景観を楽しんだり、スナッグゴルフなどのイベントに参加してもらったり。ゴルフ場側にとっても新しい客層を開拓する機会になります」

今回のイベントの企画・実施担当は青年部。メンバーの渡辺さんは、「スナッグゴルフは特に好評で、ご両親や祖父母の方が一緒に来場したり。ベビーカーを押してくる方もいて、普段見られない光景でした。子どもたちは笑顔で、表彰式も大人より盛り上がりました」

スナッグゴルフでの教えは「チャレンジする、あきらめない!」。「子どもたちだってアンダーが出る。するとまたやる気になるんです」(渡辺氏)

コンペには110名、スナックゴルフには30名、一般参加者も合わせると200名以上が参加。

準備のなかで、青年部とそのメンバーも成長していったという。

「毎月担当するイベントの枠外のものだったので、チームを作らずに『やりたい』と言う人が集まってスタートしました。各人の強みを生かした企画運営が化学反応を起こすことを知りました」

イベントを仕切ったのは青年部のメンバー。ゴルフをする人だけでなく、見る人、支える人も楽しめるイベントとなった

協賛社集めを担当した後藤さんは、「地元スポンサー商品を賞品にする場合も、後で使えるチケットなどにし、地域の活性化にも貢献できるようにしました。それにしても、皆さんの笑顔がパワーになって明日からも頑張れます」

終わった後は、感極まって泣いてしまったという皆さん。その涙は街づくりの“潤滑油”となる。

ただし、次につなげる振り返りは怠らない。「私は立場上、冷静な観点から見ています。財政とのバランスは大切。イベントの経済的な“自立”は必要です」(山本氏)

「第3回にどうつなげるか。経済効果を高めるため、来場者などのデータ分析も必要。遠方からの集客のため、宿泊セットのパッケージなども有用ですよね」(渡辺氏)

「コース会員の方々が“自分事”として一緒にフェスティバルを作っていけるような仕掛けができれば、コースのスタッフも自分たちの仕事として取り組めます」(鈴木氏)

街づくりの“シン”は“人”にある。そう感じさせてくれるのだ。

小田原提灯を持って。祖父江歩プロが中心の「MASTゴルフ」がスナッグゴルフを実施。女子プロのセカンドキャリアにもつながる

>>こちらもチェック

週刊ゴルフダイジェスト2025年10月7日号より