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【たま~に80台で回りたいッ!】Vol.24「アマチュアの練習ラウンドはどうやればよいか?」

飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま~に80台で回るゴルフは十分に可能! コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。

ILLUST/Shinichi Hoshi

>>前回のお話はこちら

以前、ツアープロと何度かラウンドしたことがあります。我々マスコミ関係者とのラウンドは、たいがい取材&撮影をしながらの練習ラウンドになります。

メーカーから依頼されたクラブを試打してインプレッションしたり、雑誌用の“ゴルフテク”を語ったりと忙しい。加えて気になるショットが出ると、断りを入れて「ちょっと練習させて」と打ち直すことも。プロの取材対応がてらの練習ラウンドは、こんな感じです。

それでは我々アマチュアの、練習ラウンドはどうでしょうか? そもそも本番と練習ラウンドとの線引きが分かりづらいですよね。クラブ競技をする人が練習ラウンドをするのは理解できます。でも個人的には競技を引退しているので、大きなコンペが試合なのか。何か目標となるラウンドを本番としましょう。そこに向けての練習ラウンドを考察したいと思います。


過去の練習ラウンド体験

過去にコンペの前乗りで同じコースを練ランしたとか、ホームコースの試合出場で前の週に、練習ラウンドをしたことはあります。

あと南総CCのメンバーだった頃、試合があるからと、飛び入りでアマチュア選手が加わったことがありました。その時はその方だけバックティーでラウンドし、かなり鋭いショットを打っていました。

そりゃ知らない人の中に交じってバックティーで打つのですから、かなりのメンタルですよ。じゃないと試合に勝てませんよね。

実際の練習ラウンド

具体的に練習ラウンドをどうやるのか? 同伴メンバーが練習仲間だったら話は早いです。お試しクラブがあれば、1本クラブを増やしてもオッケー。本番に向けての新しい武器の試打です。

ちなみに正式なルールではクラブ1本の超過は、1ラウンドで最大4罰打。口うるさい方には「4罰打にするので、1本追加していいですか」なんて、ややイヤミっぽく言ってみましょうか。打つライは本番さながらノータッチで打つ場合と、逆に練習だから良いライで打ちたいと考える人がいます。そういうときは、6インチプレースのローカルルールもありです。お好きなように。

ちなみに後藤修先生に教わっていた時の練習ラウンドは、全て良いライで打つように指示されました。ちゃんとしたライで打ってもパープレーは出ないだろ。ましてや悪いライで打ってどうすると。練習だから一番良いライで打ってショットを磨き、自信をつけるのが大事、と先生は語っていました。

ただ練習ラウンドだからといって打ち直しはなしです。それをやるとキリがないし、ゴルフになりません。ティーショットでOBらしき球を打った時、暫定球宣言しての打ち直しはありです。けどそれも状況や混雑具合で決めましょう。

同じコースを練習ラウンド

本番で使うコースを練習ラウンドするのが効果的です。それはコース特性を学習できるからです。

たとえばホームコースの扶桑CCの西コースを例に取ると、1番ホールは広いけれど320ヤードほどしかないです。右はOB。ここはスプーンで刻んだほうが無難です。

昔は広いからとドライバーで打っていましたが、今は9割がたスプーンです。ドライバーだとたまにボールをスライスさせ、ひどい目に遭うからです。扶桑CCは同様にドライバーで打たなくていいホールが結構あり、そこを刻み出してからスコアが良くなりました。練習ラウンドでは刻む勇気を養い、コースマネジメントを確立させたいですね。

ですから練習ラウンドはコースとの対話になります。ここは刻み、ここは右から攻め、あそこに打ってはダメと、戦略を練りながらのラウンドをすればいいと思います。

グリーン周りをどう攻めるか

コースには戦略的に見て、入れてよいバンカーと入れてはいけないバンカーがあります。砂が少なく硬い、アゴが高い、二重バンカーで出しにくいとかね。残り100~150ヤード地点から、バンカーに入るのを覚悟でグリーンを狙うか手前に打つか、プランAとプランBは必ずあるはず。練習ラウンドで、ぜひいろいろ確認して打ってください。

というわけで練習ラウンドは戦略シミュレーションであって、ショット練習じゃないんですよね。

教える人/木村和久

「89ビジョン」をはじめ様々なゴルフの楽しみ方を提案するコラムニスト。ベストスコア75。01年鶴舞CCキャプテン杯優勝。ゴルフ歴は35年。現在は扶桑CCのメンバー

週刊ゴルフダイジェスト2025年9月16日号より