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【人気連載アーカイブ】イザワの法則2015「飛ばしたいときは『力を入れる』ではなく“最後までスムーズに振り切る”」

世界も認めた美スウィンガー・伊澤利光が、ゴルフで大切にしていることを語る連載「イザワの法則」。今回は、我々アマチュアが、もっと正確に、もっと遠くに飛ばすためのポイントを聞き出した。

GD 伊澤プロの最初の賞金王は2001年でした。年間5勝を挙げて、獲得賞金総額もそれまでの尾崎将司プロの記録を抜いて史上1位(2億1793万4583円)になりました。2位の片山晋呉プロと8000万円以上の大差がつきましたが、途中からは余裕だったのでしょうか。

伊澤 いえいえ、その年は私も含めて賞金1億円を超えた人が5人くらいいましたから、誰でも賞金王になる可能性はあったんです。それに私自身は過去に賞金王になったことがないわけですから、どれだけリードしていても安心ということはなかったですね。

GD なるほど、賞金王が決まってあとは日本シリーズを残すのみとなった時の心境はいかがでしたか?

伊澤 賞金王は確定しましたけど、ジャンボさんの記録を超えられるかどうかというのがまだあったので、そのプレッシャーはありましたね。

GD 2001年は獲得賞金の記録を塗り替えるほどシーズンを通して好調を維持したわけですが、その最大の要因は何だったと思いますか?

伊澤 振り返ってみるとドライバーが安定していたというのがいちばんじゃないでしょうか。飛距離はまあまあ(平均292.5ヤードで4位)、フェアウェイキープ率も6割くらいでしたから(59.10%)。

GD 伊澤プロの飛距離があれば、そのくらいフェアウェイにボールが飛んでくれればスコアは作りやすいと。

伊澤 もちろんパットが入る入らないとかは、試合ごとにあるんですが、その年は「可もなく不可もなく」で1アンダーくらいの感じでしたね。よほどダメでも3オーバーくらいまでという感じで、スコアの波はなかったです。

GD シーズンを通して、特に印象に残っている試合はありますか?

伊澤 2001年は太平洋マスターズでジャンボさんと初めて最終日最終組になったんですね。その時は、これに勝つのが恩返しだと思って特別気合が入ったのを覚えています。途中、少し差が開いてきてからの「もうお前が優勝だな」っていう、激励なのかプレッシャーなのかわからないジャンボさんの”口撃”には参りましたけど(笑)。それでも目の前で優勝できたのはよかったです。

伊澤’s ワンポイント
飛ばしたいときは、スタンス広めで上体リラックス

「飛ばしたい」と思うだけで勝手にスタンスは少し広くなる。飛ばしたいからスタンスを「広げる」というのは、力みや振りすぎの原因に

フィニッシュまでノンストップで加速していくイメージ

力を入れて打つのではなく、最後までスムーズに振り切ることが飛距離を伸ばすためには大切

インパクトに力点があると、当たってから減速するスウィングになる。フィニッシュまで振り抜くことに意識があれば、当たった後もヘッドが加速して飛距離が出る

伊澤利光

1968年生まれ。神奈川県出身。学生時代から頭角を現し、プロ入りしてからは、プロも憧れる美しいスウィングの持ち主として活躍。2001年、2003年と2度の賞金王に輝く。また、2001年、マスターズで日本人最高位(当時)の4位入賞。現在はシニアツアーを中心に活躍中

月刊ゴルフダイジェスト2015年10月号より