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「ウェッジが飛ばない」を解消するキーワードは「低重心」

「キング・オブ・試打」としてお馴染みの堀越良和プロが、長年の知見から、ギア選びの際に重視すべきポイントや注意点をわかりやすく解説!

前回のお話

前回、中空構造やキャビティ構造のアイアンに比べると、単品ウェッジの重心位置が高く設定されているため、9I、PW、AWのロフト角を等間隔にしただけでは飛距離の階段を作りにくいというお話をさせていただきました。

実は、ネックを短くし、その余剰重量でソールを幅広にして低重心化した「アイアンのセットウェッジ」を使うことで、飛距離の階段を作ることはある程度可能です。ところが、競技志向の強いゴルファーがセットウェッジを使うことはあまりないと思われます。それは短いネックによって、ウェッジの重心がトウ寄りに移動するので操作性が犠牲になり、またワイドソールによってフェースを開きづらくなる、というデメリットがあるから。

ウェッジメーカーは、そのような悩みを解決するために、顔や操作性のよさを犠牲にせず、それでいて低重心のウェッジを作ることに尽力してきました。ただ、メーカーに話を聞くと、そもそも重心位置を“バランスよく”1mm変えるというのはかなり大変なことのようです。それを実現した初期モデルとしては、アイアンのようなキャビティ構造のクリーブランド『 CBX』(17年)や、ソールにタングステンを入れたピン『グライド フォージド』(18年)などが挙げられます。最新のウェッジについてはまた次回!

キャビティ構造によって低重心を実現したクリーブランド『CBX』ウェッジ


堀越良和
ほりこしよしかず。週刊ゴルフダイジェストで試打レビューを続けて約四半世紀の「キング・オブ・試打」


週刊ゴルフダイジェスト2021年5月11日・18日合併号より