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【たま~に80台で回りたいッ!】Vol.21「我々のスコアメイクは“寄せワン”が命!」

飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま~に80台で回るゴルフは十分に可能! コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。

ILLUST/Shinichi Hoshi

>>前回のお話はこちら

  • 飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま~に80台で回るゴルフは十分に可能! コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。 ILLUST/Shinichi Hoshi >>前回のお話はこちら 最近、この連載を始めて発奮したのか、スコアが良くなりました。先日は令和のベストスコア83を達成。直近1……

以前、同世代の女子トップアマとラウンドしたとき、彼女の飛距離は自分とそこそこで、ショットも似たり寄ったりでした。けれどグリーン周りの集中力が凄かった。ことごとく寄せ、そのうち半分以上パットを沈めました。後で一緒に飲んだとき、「アマチュアはパーオンできる確率が低いから、寄せワンが命なの。そこで半分パーを拾ったら、80台前半で回れる」と言っていました。 

彼女の意見に、激しく同意したのを覚えています。ちなみに自分が寄せワンのスタイルを確立したのは、鶴舞CCの競技です。鶴舞CCはバックティーでラウンドすると、パーオンできるホールはハーフに1つか2つ。最初、バックティーでラウンドしたときは絶望的でした。なんでこんな難しいコースに入ったんだ、と。そこから寄せワン技術を磨き、最終的に東コースのバックティーから、80のスコアを出せるまでに成長しました。 

現在この体験が非常に役立っています。還暦を過ぎて飛ばなくなると、レギュラーティーがバックティーとなります。パーチャンスはハーフに1~2ホール。あとは寄せるしかない。最近寄せワンを取るたびに鶴舞CC時代を思い出します。今もその感覚を大事にし、同様の方法で寄せています。さて具体的な寄せ技術ですが、順序よく説明しましょう。


我々のパーオンとは

我々は飛ばないので、グリーン周り30~40ヤードに寄れば、それはパーオンと一緒。ほぼボギー確定と計算します。そこから本領発揮です。

まず距離計測ですが、1歩1ヤードと計算しての歩測がよろしいです。全部歩測すると時間がかかるので、ピンとの中間点あたりで大体の距離を測り、ついでにグリーンの形状をしっかり見ます。大事なのはピンまでの距離ではなくて、ボールの落としどころ。そこからどれぐらいボールが転がるかの計算です。最後はあれこれ考えてもダメ、自分の経験と勘に頼るしかないですね。

攻めるか保険をかけるか

ピンまでの距離がわかったら、ライを見て戦略を練ります。芝の状態を見て薄いなら転がすとか、ラフならしっかり打つかなどあれこれ思案します。特にヘビーラフはバウンスのあるSWで打ち、寄ればラッキーぐらいの感覚で。 

夏場のラフはヘッドが草に負けて、ボールがあらぬ方向に飛ぶことも。シャンクが出たら地獄ですので無理をしないことです。 

寄せワンを狙いにいくのは、打ちごろのライで残り30ヤードなどときっちり数字が出ている場合です。この距離は昔から繰り返し練習しているじゃないか。過去の反復練習の成果を見せようと念じ、自分を信じて打つしかないです。

ピンそばに寄ってから

アプローチの理想は、オーケーをもらう距離まで寄せることです。1回寄せワンオーケーが出ると、続けて出ることがよくあります。逆に1度も出ない日も。ただカップの真下にボールをつければ、2~3mぐらいの距離でもパターが入りやすいです。きっちりピンそばに寄せることだけにこだわらず、いかにピン下につけるかを考えて、打つべきと思います。

OKをもらう寄せとは

アプローチはボールを高く上げないと、狙った距離に寄りづらい。練習としてはAWかSWで30ヤードを寄せてみる。個人的には30ヤードの練習をしっかりやりました。コツはテークバックしたのと同じ分フォローを取ること。 打つときは何も考えません。体が覚えているので30ヤードと頭にインプットし無の境地で打ちます。とにかく自分の得意な距離を作ること、まずはそこからです。

毎ホールアプローチの覚悟で

我々はパーオンする確率は少ない。だから18ホール中8~9割はアプローチをします。そのアプローチの良し悪しがスコアを左右する。だからアプローチを好きになるというか、得意じゃないと生き残れないのです。教科書通りの良いライなんて半分もこない。だってボールは丸くて草より重い。当然低いところにボールが止まるわけです。そこで転がしもチッパーみたいに9番や8番アイアンの“スライド打ち”、あるいは順目のフェアウェイならパターで30ヤード、いろんな手を使って寄せるわけ。 

この寄せに、ささやかな喜びを感じない限り上達しません。アプローチ万歳。目指せ80台です。

教える人/木村和久

「89ビジョン」をはじめ様々なゴルフの楽しみ方を提案するコラムニスト。ベストスコア75。01年鶴舞CCキャプテン杯優勝。ゴルフ歴は35年。現在は扶桑CCのメンバー

週刊ゴルフダイジェスト2025年8月19・26日合併号より