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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.238「打つ直前に、何を思うのか」

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

PHOTO/Tadashi Anezaki

>>前回のお話はこちら

朝のパッティンググリーンでの練習でボコボコ入ってたら、「今日は調子がええぞ」と気持ちよくスタートできますよね。でも中には、「いや練習グリーンやからたまたま入るけど、コースではそうはいかないやろ」なんてマイナスなことを言うてる人がいます。

ドライビングレンジでもドライバーをバシーンと打ってめっちゃ飛んでるのに、「いやたまたまやねん、コースに行ったら曲がんねん」と言うておる人もよく見かけます。朝の練習でひとつでも調子よいもんがあったら、「これ、めちゃくちゃ上手いなあ。自信ありますよ」という感じでその日のラウンドがやれればいいんですけどね。


自分の粗探しばかりやっておる人はプロでも上に来られないです。

ゴルフは気持ちの持ちようでよくなったり悪くなったりするところがあります。ここ一番、入れないといけないパターのときは、誰よりもストロークがスムーズに動く自分を想像したらええんです。僕なんか今はそんな感じでやってます。

いい加減に打つということではなく、そういうふうにちょっと思うだけで全然ストロークが変わるということです。

大事な一打を打つ前、プレッシャーがかかってきたときには、どんな結果であろうと全部自分のやったことの結果だから、それを受け入れるという気持ちになれればいいんですけどね。

アプローチでもパターでも、「どうしようかな、失敗しそうやな」いう気持ちがするときがあるやないですか、そんなときこそ、構えたときに「いつも通りに打てばええねん」と思うだけでいいんですよ。

どっちにしたって、1回しか打てないんですから。めっちゃ重圧をかけるのか、いつも通り普通に打つのか。どっちが得かよく考えてみてください。

普通に打てば、いつもの技術やフィーリングが出るんやからそっちのほうがええでしょ。打つ直前に、何を思うかです。上手く打とうとせず、「もう普通でええわ」と思って打てれば最高です。

「たとえば、『最悪やお金ないわどうしよう』と思ったら、血管が浮き出てきて固まって手も冷たくなってきます。人間なんてそんなもんです」

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2025年8月19・26日合併号より