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【教えて! なっち先生】Vol.19 スクエア系グリップとストロング系グリップでは“腕のロール”量が変わる

グリップが変わればスウィング中の適切な体の動かし方も変化する。ストロンググリップとスクエア~ウィーク系グリップとで、具体的にどう動きが変わるのか、プロゴルファー・大谷奈千代にイラストを交えて詳しく解説してもらおう!

>>前回のお話はこちら


Lesson 19
グリップによって
腕のロール量が変わる


前回はスクエアグリップ系とストロンググリップ系でのインパクトの違いについて紹介させていただきました。左手の親指の位置が指1、2本分変わるだけで骨格に対するフェースの向きが変わるので、体の使い方が正反対になるなんて驚きですよね! 

プロたちがグリップにこだわって、クラブの握り方が大切とアドバイスしているのはこういった理由があってこそなのです。ではグリップの握り方で起こる動作の違いについて解説していきましょう!


グリップの違いは腕をロールする量に表れる

フェースを返す派のスクエアグリップ系では、インパクト前後でグリップエンドがおへそ周辺を目指してスウィングしていきます。そのためには腕のロールを少し使っていくのがポイントです!

バックスウィングでは腕が右にロールすると、手も連動してフェースが少しずつ開きながらクラブが上がります。ダウンスウィングからフォローにかけては腕をリリースして左にロールさせながら、手を連動させてフェースをスクエアに戻しながらインパクトを迎えます。こうすることで、インパクト前後でグリップエンドがおへそ周辺を目指すスウィングが完成します。

反対の動きになるフェースを返さない派のストロンググリップ系では、腕のロールを抑えることがポイントです! インパクト前後では、左手の甲を先行させたまま左手で空手チョップをするようにスウィングしていきます。

スクエア~ウィーク系のグリップでは腕をロールさせる、逆にストロンググリップ系は腕のロールを抑えて打つのがポイントだ

このとき、手だけで打っていかないように注意してください! 大切なのは、バックスウィングでは胸を右に回旋させ、ダウンスウィングからフォローにかけては胸を左に回旋する動きでクラブをシャットに(閉じて)使いながらスウィングすることです。 

手だけでフェースを操作してしまうと、クラブは胸の前から外れてしまう結果になってしまいます。こうなってしまうとインパクトに向かって何かしらの調整が必要になってしまうのでミスの幅が広がってしまいます。どちらも、胸を右・左へと回旋させていくことで肩関節から腕の動きを起こしてスウィングを行っていくのが正解です。

スクエア~ウィーク系のグリップはロールした腕をリリースしてスクエアに戻しながら体の正面でインパクト。ストロンググリップは胸を回すことでクラブを閉じたままスウィングする。いずれの場合も胸を右から左へ回す動きが大切だ

それぞれのトップのポジションも比較してみましょう。スクエアグリップ系のトップでは、腕がロールするため45度から60度の範囲でフェースの向きが収まります。ダウンスウィングでクラブが腰の高さまで下りたポジションでは、トウが空から少し地面に向いていればスクエアフェースの許容範囲です。 

一方、ストロンググリップ系のトップでは、腕がロールしてこないので、フェースの向きが60度以上空を向くフラットなポジションで収まっていきます。クラブが腰の高さまで下りてきたポジションでは、背骨で作った前傾姿勢よりもフェースが地面の方向を向くのが正解です。 

どちらのポジションを目指すにしても、胸をしっかり回して、手だけでスウィングを作らないようにしましょう!

スクエア~ウィークグリップでは後方から見てトップ位置でフェースの角度が45~60度程度に、ストロンググリップでは60度以上でフェースが空を向くフラットなトップになる

大谷奈千代

1984年、神戸市出身。JLPGAトーナメントプロ&ティーチングA級。関西を中心にレッスン活動を行う

週刊ゴルフダイジェスト2025年8月5日号より