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【たま~に80台で回りたいッ!】Vol.1「還暦過ぎでも80台で回れる根拠とは?」

飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま~に80台で回るゴルフは十分に可能! コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。

ILLUST/Shinichi Hoshi

皆さんゴルフに励んでおられますか? こちらは前期高齢者となり、飛距離が落ちて嘆いています。ドライバーなら190ヤード飛べばましなほう、昔は210ヤードぐらい飛んでいたんですけどね。

だから以前は400ヤードのパー4で2オンを狙えたのに、今は350ヤードがやっと。80台を連発していた頃が懐かしいです。

今はさぞかしひどい成績だろうと思って、昨年のゴルフ戦歴を見ると、30ラウンドして平均スコアが91.8、ベストスコアが85。80台を10回出していました。

あれ! 思ったほど叩いてないな。全盛期の平均スコアが89.7ぐらいだから平均で2打しか衰えてません。ドライバーの飛距離が20ヤードも落ちているのにですよ。

これはどういうことでしょう?

実はここ10年でラウンド環境が劇的に変化し、好スコアが出やすいのです。つまり漫画「北斗の拳」的に言うと「お前はすでに80台を出せる腕前だ、アッタッタッタ~」ということですかね。

今から好スコアが出やすい理由を10個提示します。いくつ思い当たるか数えてみてください。

1. 以前よりコースは短い

久しぶりに昔行ったコースに顔を出すと、レギュラーティーの位置が前だったことがないですか? あるいは名物ツリーの本数が減っていた、手ごわいバンカーがグラスバンカーになっていたとかね。今、若者や女性が大量にゴルフをやり出したので、コース側も渋滞を起こさないように配慮して、進行をスムーズにさせています。だからコース設定が甘いところが多いのです。

2. ゴルフサイトで下調べする

今は皆さんプレー前にスマホでコース情報を調べます。チェックすべきは来場ゲストの平均スコア。皆さん叩きたくないので、好スコアが出るコースを選びがちです。

3. ルールが簡略化されている

2019年のルール改正でピンを差したままでパターが打てる等の簡略化が進みました。ティーイングエリア内での空振り&チョロの無罰で再ティーアップ、バンカーは2罰打で出せる。最大スコア設定で、大叩きが防止できるのです。

4. ギア性能が進化

昔はフェアウェイから距離を稼ぐならウッド一択でしたが、今は優秀なハイブリッドがたくさん出て、スコアがまとまりやすい。飛び系アイアンの登場で、パー3の番手競争にも負けませんね。

5. ナビゲーションが正確

乗用カートのナビが優秀で、距離計測器がなくても、おおよその距離が分かるようになりました。

6. 下手の固め打ちの完成形

シニアは飛ばないし、スウィングが固定されてるから左右にブレない。ゆえに大叩きをしません。

7. 戦略は刻みのみの潔さ

飛ばないから冒険をせずに刻みばかり。結果、バンカーや池に捕まりにくい。しかもパーオンせずに、アプローチばかりするので、寄せが上手になっています。

8. ミス時の対応ができている

シャンクや引っかけの別対応プランBが常に頭の中にある。アプローチミスをしたら、速攻で9番パター打ち、UT転がしなどで対応し、ミスの連鎖を防いでいる。

8. 若い飛ばし屋が仮想敵になる

ボールは飛ぶけど曲がる若者が多いですよね。彼らを見るにつけ、飛ばない真っすぐボールを打つ刻み屋が、いかに優秀かが分かります。ショットがバラける若者は格好の仮想敵、先輩風を吹かせてギャフンと言わせましょう。

10. 自分で仕切る甘いオーケー

年長者になるとラウンドを仕切り、オーケーの距離を決める立場になります。その時の甘いオーケーは自分にも甘く返ってきます。

どうです? 思い当たる節があるでしょう。今の実力でも80台を出せそうな気がしませんか? 常に80台とは言いません。たま~に80台を出すゴルフを一緒に考えましょう。次回から実践開始です。

教える人/木村和久

「89ビジョン」をはじめ様々なゴルフの楽しみ方を提案するコラムニスト。ベストスコア75。01年鶴舞CCキャプテン杯優勝。ゴルフ歴は35年。現在は扶桑CCのメンバー

週刊ゴルフダイジェスト2025年3月25日号より