【インタビュー】安田祐香<前編>「パット、スウィング…毎シーズンレベルアップしている実感があります」
高校2年で日本女子アマを制し、プロデビューから5年。安田祐香が昨年ついに優勝を果たした。目の前の課題をひとつひとつクリアしてきたという安田祐香に、優勝までの道のりを振り返ってもらった。
PHOTO/Yujiro Kawatani、Tadashi Anezaki、Shinji Osawa THANKS/小野東洋GC
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- 昨年9月にプロ初優勝を果たした安田祐香にインタビュー。後編では、キャディとしてサポートする姉の美祐を交え、引き続き話を聞いていく。 PHOTO/Yujiro Kawatani、Tadashi Anezaki、Shinji Osawa THANKS/小野東洋GC 安田祐香 2000年生まれ。兵庫県出身。姉・美祐を追って、小学3年で坂田塾に入塾。高校2年で日本女子アマを制し、20……
優勝できたのは
パッティングのおかげです
――初優勝、おめでとうございます。ご自身では、勝因は何だと感じていますか?
祐香 パットだと思います。24年はバーディチャンスのときにちゃんと決めることができるようになってきていたので。
9月のミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンでは、荒天による27ホールの短期決戦のなか、後続を3打離して優勝を果たした
――パッティングのどこかを変えたのでしょうか。
祐香 私はカット軌道でストロークする癖があって、プレッシャーがかかると出球が左にそれる傾向があったんです。それで、坂田雅樹コーチや姉に後ろからパターの動きをチェックしてもらいながら、真っすぐ引いて真っすぐ下ろして、真っすぐ打ち出すストロークを、繰り返し、繰り返し練習しました。
「姉のライン読みは、私よりもスゴいんですよ。一緒にラウンドしていても、長いパットを決めてくるし、ジャストタッチで打ちたい私と違って、ラインを消して、ドカンと強く打つ度胸もあります。どっちに曲がるかわからない微妙なラインでは、何度も姉に助けられています」(祐香)
――自分の感覚と実際の動きのズレを修正していったということですね。
祐香 それで、だんだんと狙ったラインに自然に打ち出せるようになっていきました。まだまだ、完璧とは言えませんが……。
――スタッツを拝見すると、パーオンホールの平均パット数が、24年シーズンに大きく改善されていますね。プロの実感としても、バーディパットを沈めていると感じていたわけですね。
祐香 そうですね。それと、昔から私のパットを見ていた申ジエさんが、もっとフォローを長く出せるように、ネオマレット型のパターをプレゼントしてくれたんです。あのパターのおかげで、転がりがよくなったことも大きいと思います。
パーオンホールの平均パット数は24年シーズンに大きく改善している
申ジエがプレゼントしてくれたオデッセイのTEN TRIPLE TRACK。ソールのウェイトとグリップエンドのウェイトは、祐香のストロークに合わせて申ジエがオーダーしてくれたという。まさに虎の子の一本だ
スウィングにも
新たな発見があったんです
――振り返ると、21年頃は、ドライバーの引っかけに悩んでいたような印象でしたが……。
祐香 22年の冬にダウンスウィングの軌道を修正して、23年はわりといい球が打てるようになりました。でも、疲れてくるとまたフックが出ていたんですが、23年のオフには次の段階に行けて、24年は安定したストレートが打てるようになっていました。毎シーズンレベルアップしている実感があります。
――いまスウィングで取り組んでいることはありますか。
祐香 ダンロップにスウィングを計測してもらって、いままで気付いていなかった自分のスウィングのクセがわかりました。
――それはどんなクセ?
祐香 ナイスショットのときは手首を使わずにテークバックしているんですが、ミスするときは、少しだけ手上げになっていたんです。昨シーズンの終盤は、その悪いクセをコントロールして、いい位置にトップを上げる感覚をつかめた気がします。
――スウィングの完成度はいまどのくらいですか。
祐香 イメージ通りというにはまだまだですが、打ちたい球筋はまとまってきました。でも、それを1年間続けることが大切なので、このオフの合宿では、いま取り組んでいるスウィングをしっかりと体に覚え込ませたいと思います。
――優勝してから変わったことはありますか。
祐香 精神的に少し自信を持って試合に臨めるようになったかな。成績が出ないと、すぐにネガティブに考えて、ピンも狙わないでおこうって思っていたんですが、優勝してからは「外れても何とかなる」って思い切って攻めていけるようになったので、それがスコアにもつながっているかもしれません。
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週刊ゴルフダイジェスト2025年1月28日号より