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【キミこそ王子だ】Vol.341 ループ軌道、地面反力…飛ぶ要素が満載! 期待の中学生

雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王女候補は浦安市立日の出中学校3年の髙橋彩夢さんだ。2024年度「日本ジュニアゴルフ選手権」2位の実力者。米国のトッププロを彷彿とさせるスウィングに武市は興味津々!

今回の王女候補

髙橋 彩夢さん

たかはし・あやみ ●主な戦歴/2024 日本ジュニアゴルフ選手権12~14歳の部 2位 ●ベストスコア/67(総武CC総武C) ●練習/平日素振り250回  土・日1日600球 ●トレーニング/陸上部時代にラダー、タイヤ押しなどの練習


髙橋彩夢さんがゴルフを始めたのは小3。ゴルフのテレビ番組を見て興味を持ったのがキッカケだ。最初は全然球に当たらなかったが嫌いにはならなかった。たまに当たったときのうれしさを糧に続けた結果、トップジュニアへと成長した。

そんな彩夢さんはとても努力家だ。

「平日は練習場に行きません。その代わり家の前で素振りをします。58度からドライバーまで1つずつ番手を上げて約250回。これは小3から続けています。パターも練習用のレールで1時間くらい練習します」

「マジで! 尊敬するわ。球は打たないの?」


「球は土日にそれぞれ600球打ちます」

「そんなに打って疲れない?」

「大丈夫です。中学で陸上部に所属していました。ラダーやハードル、タイヤ押しなどの練習でだいぶ体力が付きました」

スウィングを見た武市は、開口一番、「めちゃくちゃ飛ぶね」と褒めた。

「腕が長くない?」

「はい。長いです」

「彩夢ちゃんのスウィングは、一見個性的なんだけど飛ばしの要素がてんこ盛り! 一番の特徴はクラブ軌道。本人も自覚しているように、腕が長い人は腰を開き気味にアドレスし、そこから少しアウトサイドにバックスウィングする人が多いんだよね。彼女もしかり。アウトサイド、つまり体からクラブヘッドが離れるようにバックスウィングすると体とクラブの間にスペースが生まれるでしょ。だから自然とインサイドからクラブが下りてくるわけ。わかりやすく言えばループ軌道のスウィング。ループって聞くとよくないイメージを持っている人もいるかもしれないけど、まったくそんなことない。ループ軌道はインサイドからクラブが下りてくるから、入射角が緩やかになってロースピンとなるのがメリット。さらにヘッドの運動量が多いから飛距離も出る。ヘッドの運動量が多い分、安定性に欠けるという側面もあるんだけど、彼女とは無縁。彼女はダウンスウィングでの脚の使い方も上手く、地面から跳ね返る力を利用して上手に腰を回転させジャストなタイミングでインパクトできている。ヘッドスピードも速いし飛ぶよね〜」

得意なクラブはもちろんドライバー。中学生女子のなかでは間違いなくトップクラスだ。

「ところで誰かのスウィングに似てるって言われない?」

「マシュー・ウルフ選手ですか?」

「そうそう! 彼もまた個性的なスウィングから生み出される爆発的なスウィングが魅力だよね」

「微妙です(笑)」

「その個性は大事にしたほうがいいよ。将来、世界の舞台で、和製マシュー・ウルフの実力を見せてやって!」

「がんばります!」

4月からは高校生。これからが楽しみな選手だ。

週刊ゴルフダイジェスト2025年1月21日号より