【企業ゴルフ選士】Vol.19 みずほ証券・谷戸充彦さん「小さい頃から探していた最高の競技に出合えました」
戦うだけのゴルファーではなく、会社に認められ、選ばれたゴルファーである“企業ゴルフ選士”をクローズアップ。今回の選士はみずほ証券の谷戸充彦さん。
ORGANIZER/Hironori Kogure PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/久邇CC
今週の選士
金融市場本部
金融市場営業第三部
副部長
谷戸 充彦さん
40代初め頃に、それまで打ち込んでいた野球にひと段落つけ、競技ゴルファーに転身。現在はみずほ証券ゴルフ部のキャプテンを務め、自身が所属する京葉CCのクラブ競技にも出場する
みずほ証券
銀行、信託、アセットマネジメントおよびシンクタンク等を擁するグローバル金融グループの証券会社。「ともに挑む。ともに実る。」をパーパスに掲げ、お客さま・市場・社会から最も信頼され必要とされる証券会社をめざすとともに、お客さまニーズと、経済・社会の変化をいち早く予見し、解決策を見出すための変革に向けて、お客さまとともに挑戦を続けている
みずほ証券ゴルフ部の
“精神的支柱”
外資系の証券会社を経て2016年にみずほ証券へ入社、19年に同社ゴルフ部に入部した谷戸充彦さんは現在、キャプテンとして部を束ねる立場にある。
「証券会社は中途入社した人や個性のある人が多く、団体行動一つ取っても苦労することがあります。記念写真を撮ろうとしても集まらなかったり、集合時間に揃わないことは日常で『なんで自分のことしか考えないんだ!』って(笑)」
一般的に大胆で度胸があり、自分のペースを大事にしているなどと言われる証券マンたちを束ねるのは簡単ではなさそうだが、同社ゴルフ部は、今や谷戸さんにとってなくてはならない存在になっている。
子供時代から野球に打ち込み、数年前まで私設の野球部に所属していた谷戸さんがゴルフを始めたのは小学生の頃と早かったが、あくまでゴルフは“野球の片手間”。しかし18年頃ゴルフ1本に絞り、今では「小さい頃から探していた最高のスポーツに出合えた」と言うまでに“ゴルフ愛”が深まっている。
二刀流から
ゴルフ特化へ
1つのものを究めたいという気質を持つ谷戸さんがゴルフを選んだ経緯は以下の通りだ。
「2000年代初頭、外資系の証券会社はとにかくハードでした。朝まで仕事をするのは日常で、本格的にゴルフをするというのは頭にありませんでした。野球は2時間程度で終わるというのも仕事に合っていましたね」
しかし40代に差しかかった頃、次第にゴルフへ引き込まれていくことになる。
「野球は9人集まらないとプレーできないことから、メンバー集めの精神的な負担が大きかったことに加え、若手選手との身体能力の差が広がってきたのも決定的でした。そんななか、誘われるままに出場した外資系金融機関対抗のゴルフ大会で競技ゴルフの面白さに気付いてしまって。2つを同時にやっていた時期もありますが、休日のダブルヘッダーは過酷なうえ、野球をやればやるほどゴルフの調子が悪くなる。どちらかに絞る必要性を感じたんです」
40歳を迎えた谷戸さんは、野球で最後にひと花咲かせるべく、同年代の仲間たちと壮年リーグの区大会予選に参戦。見事地区ブロックと東京都大会で優勝したうえ、個人ではMVPも手にし、区切りをつけた。
チームで勝つため“個”を磨く
本気でゴルフと向き合うようになった谷戸さんは現在、団体戦が楽しくて仕方ないという。
「子どもの頃から『ONE FOR ALL、ALL FOR ONE』という言葉が好きなのですが、私は『ALL FOR ONE』を“勝利(目標)のため”という意味だと解釈しています。チームのために尽くすのは当然ですが、最後は勝利のために“個”が生きないといけない。集団で勝つためには個を磨く必要があるのです」
同社ゴルフ部の根っこも同様。バラバラなのではなく、ちょっと我の強い個性が団結し、ひとつの固まりとなっているから魅力があるのだ。谷戸さんは、自身の仕事とゴルフには大きな共通点があるという。
「金融取引で大切なのは、『負けは耐えて勝ちをどこまで伸ばすか』です。どんなに有能なトレーダーでも良くて2勝8敗かせいぜい3勝。そこで最終的に勝つ(利益を出す)ために、退出する場所をあらかじめ決めておくことが重要です。これってゴルフも同じで、たとえばボギーが3回続いたら次はバーディなんて狙わず必死にパーを取りに行き、連続バーディが出た後ほどトラブルを避けることが大切だと感じています」
いまだゴルフは精進中。55歳からのシニア競技にも興味津々だという谷戸さんの目は輝いている。
谷戸充彦さんの14本セッティング
週刊ゴルフダイジェスト2024年12月31日号より