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FWは「ハンドアップ」がオススメ! “フェアウェイの申し子”稲森佑貴のマル秘テク

PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/鶴舞CC

パー5でナイスショットし、絶好のライからの2打目。意気揚々とFWを握ったものの、まさかのチョロ……。そんな経験ありませんか? そこで、日本一フェアウェイから球を打つ男・稲森佑貴プロに、チョロしないFWの極意を教えてもらおう!

解説/稲森佑貴
1994年生まれ、鹿児島県出身。高校2年でプロテストに合格。通算2勝はともに国内メジャーの日本オープン。5年連続フェアウェイキープ率1位で、日本一曲がらない男として知られる

まずはチョロになる
原因を理解しよう

GD せっかくフェアウェイで絶好のライだったのにまたチョロしちゃった……。

稲森 チョロでお悩みですか?

GD そうなんです。ラフだと普通に打てたりするのに、フェアウェイで絶好のライだとなぜかチョロが出るんです。

稲森 なるほど。じゃあまずチョロが出る原因から考えていきましょう。アマチュアの方で多いのは、「すくい打ち」「体重が右に残る」「ボール位置が左」の3つです。

GD ひょっとするとすべてに当てはまっているかもしれません。

稲森 自分では判断しにくいかもしれませんが、動画などを撮って確認してみるとわかりやすいですよ。起きる問題には必ず原因があるのでその原因を知るだけでも解決につながります。

チョロの原因1
ボールを上げようとしてすくい打ちになる

FWはロフトが立っているため、ボールが上がりにくいように感じやすい。すると、球を上げようとしてアッパー軌道になりやすい。ボールの手前の地面を打ってしまい、ヘッドが跳ねてボールの上っ面を叩いてしまう。

チョロの原因2
右足に体重が残ったままボールを打つ

長いクラブの場合、自然とスタンス幅が広くなるが、広くなると体重移動が難しくなり、バックスウィングで右足に乗った体重を左に移せないまま打ってしまうケースも。フォローで左足のつま先がめくれたら体重が右に残っている証拠

チョロの原因3
ボール位置が左すぎる

ティーアップするドライバーは、ボール位置が左足寄りでいいが、地面のボールを打つフェアウェイウッドは軌道の最下点にボールを置く必要がある。ドライバーのボール位置と体の中心の中間がベスト

“ハンドアップ”で構えてみよう

稲森 フェアウェイウッドが苦手な人にぜひ試していただきたいのが“ハンドアップ”です。

GD ハンドアップというと、いま話題のデシャンボーみたいな感じですか?

稲森 あそこまでする必要はありませんが、見て違いがわかるぐらいのハンドアップにすると効果的です。後方から写真を撮ってもらって確認してみましょう。

後方から見て明らかに違い分かるぐらいハンドアップに構えてみよう

GD なぜハンドアップがいいんですか?

稲森 2つメリットがあって、1つ目は、手首がロックされてスウィング中に余計なコックが使えなくなること。コックが使えないと、オンプレーンに上がりやすく軌道が安定します。腕とクラブを一直線にして試してみるとロックされる感覚がわかりますよ。

GD たしかにこうすると手首が使えませんね。

稲森 そしてもう1つは、クラブのフェース面を広く使えることです。下の写真を見てもらうと、ハンドダウンに比べて、ハンドアップのほうが地面に接触している面積が大きいのがわかるはず。ハンドダウンにすると、打点がトウ寄りになるだけでチョロの危険が高まりますから要注意です!

ハンドアップのメリット1
手首のムダな動きがなくなる

ハンドアップにすると手首がロックされ、バックスウィングがオンプレーンに上がりやすい。ハーフウェイバックまでは腕を伸ばしたままの意識で上げていく。逆にハンドダウンにすると、手首に角度がつきやすく、ダウンのリリースも早くなりやすい

ハンドアップのメリット2
フェース面が広く使える

長いクラブほどハンドダウンになりやすいため、トウ側が浮いた状態になりやすい。するとフェース面の半分ほどしか使えないことに。ハンドアップなら、地面に接地する面積が大きいので、フェース面を広く使うことができる

FWこそしっかり下半身を使う!

GD ほかに注意することはありますか?

稲森 FWはクラブが長い分、スタンス幅が自然と広くなります。広くなると、体重移動が難しくなりますが、実はFWこそ積極的に体重移動をしてほしいんです。

GD 体重移動は意識していなかったかも。

稲森 イメージとしては両足の土踏まずに体重をかける感じです。テークバックのときに右足1本で立って、そのまま左足の土踏まずにドーンッと踏み込みます。

GD 野球のピッチャーみたいですね。

稲森 そうすることで、ボールに直接ヘッドを入れやすくなります。それとよく「横からヘッドを入れろ」とか「払い打ちがいい」といわれますが、ヘッドの入れ方は意識しなくていいと思います。クラブが長いぶん、他のクラブに比べて入射角は自然と緩やかになり、勝手に払い打ちになるからです。ボール位置に軌道の最下点がくるように、しっかり体重移動をしていきましょう!

しっかり右足に乗り
左にドーンッと踏み込む

稲森プロのFWスウィング

これで完璧!
チョロを撲滅する2つのドリル

稲森 最後に、チョロを撲滅するためのオススメ練習法を紹介します。まずは「ガムテープ練」。ボールの後ろにガムテープを貼って打つだけです。上手く打てればガムテープが剥がれることはありません。

GD テープが飛んでいってしまいそうです……。

稲森 不安な人はテープを長めに貼るといいでしょう。ガムテープの代わりにボールマーカーなどを置いてもOKです。

GD もう1つは?

稲森 ティアップした球をFWで打つ練習です。低く真っすぐ打てれば完璧。高い球が出てしまうと、あおり打ちになっている証拠です。この2つのドリルでFWを克服しちゃいましょう!

稲森プロおすすめドリル1
ガムテープ練

ボール後方に2~3cmの間隔を空けて20cmほどのガムテープを貼ります。クリーンに入れられればガムテープは剥がれません。目標は5球連続で成功。テープの代わりにマーカーなどを置いてもいいでしょう

稲森プロおすすめドリル2
ティーアップ練

ティーアップして、FWで低い球を打つ練習。リーディングエッジでボールの赤道を打つイメージ。球が高く上がったら下からヘッドが入っている証拠。難易度が高いので、2球連続で打てたら合格!

週刊ゴルフダイジェスト2021年4月27日号より