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【インタビュー】竹田麗央<前編>「ミスしても別に死ぬわけではないので…」

プロ入り3年目にして今年大ブレーク中の竹田麗央。日本ツアー16試合に出場しトップ10入り10回(トップ5入り9回!)、うち優勝は3回だ(※)。冷静にして大胆。柔にして剛。ツアー後半戦を前に、21歳の強さとゴルフに迫った。

PHOTO/Shinji Osawa、Tadashi Anezaki THANKS/くまもと中央CC

※数字は7月18日現在

竹田麗央 たけだりお。2003年4月2日生まれ、熊本県合志市出身。熊本国府高校卒業後、2022年プロ入り。166cm。O型

気づいたら3勝していた

竹田麗央の印象はどのようなものだろう? 「とにかく飛ぶ!」「平瀬真由美の姪っ子さん」「なんだかホンワカしている」。

これらはどれも間違っていない。

竹田麗央は、21年の日本女子オープンでローアマチュアを獲得、同年のプロテストで1発合格し、ここまで順調に駆け上がってきたように見える。しかし昨年は、何度か優勝しそうなタイミングを逃している。しかし、竹田本人にまったく焦りはなかったという。

「昨年も初優勝が一番の目標だったので、できなくて悔しかったです。もっと最終日最終組の経験をしないといけないなと思いました」

そして今オフ、自分に足りないショートゲーム力を強化した。

「それまではショットと半々くらいだった練習量を7割に増やして。このコース(くまもと中央CC)でいろいろな状況やライから打ちました。パッティングも、昨年はボールの回転がカットになっていてスライスラインが人より切れたりしたので、まず順回転になるように練習しました。軌道をイントウインに修正、パターもクランクネックをショートスラントに。データを測定しながら取り組みましたね」

そしてツアーが開幕し、7戦目のKKT杯バンテリンレディスで初優勝。地元熊本での優勝という二重の喜びだった。

「今年は最初から最終組になることも多くて。4月の早いうちに優勝できたのはよかった。熊本で初優勝できたことはすごい思い出になりましたし、自信もつきました」

熊本から世界へ

初優勝は熊本で。スポンサーのヤマエグループ制作の横断幕も声援とともに力に。地元だからこそ家族写真も残った!

この勢いで翌週のフジサンケイレディスで2勝目、その4試合後のブリヂストンレディスで3勝目を挙げる。

「目標だった初優勝が達成できて、自分でも勝てるんだと思って、気付いたら3勝していました。私、調子に関しては、少し悪くなることはあっても、そんなに波はないんです」と変わらぬ口調で変わらぬ調子を語る竹田。この波のなさも“強さ”なのだろう。

いつも緊張していないようにも見える竹田。

「ちょっとはしてますよ。確かにあまりガチガチになることはないんですけど、熊本の最後の数ホールやヤマハの最終日は緊張しました。でも、別にミスしても死ぬわけではない、と思ったら、そんなに考えることもなくプレーできています、ふふふ」

ゴルファー皆が手にしたい「フラットな気持ち」を生まれながらに手にしているのだ。

もうひとつ。ここまで海外メジャー3試合を挟み、ほぼ毎週試合に出場できる「体力」について。「疲れているよね?」と聞くと、「大丈夫です!」ときっぱり。

「海外の試合の次の週の日本の試合はけっこう疲れていましたけど、大丈夫です。疲れたときは練習量を減らすなどしています」

実はあまりトレーニングはしていないと照れくさそうにする竹田。

「月に1回、体幹トレーニングくらい。ふふふ。オフはもう少しやっていますよ。あとはランニング。ゴルフ場に着いたら5分くらい走ったり、練習ラウンドのとき時間が空いたら公園などを見つけて1人でゆっくり20分くらい走ります。飛距離は小さい頃から、体も大きかったので飛んでいました」

体格、体力。持って生まれたものを無理せず生かす自然体のゴルフ。これも竹田の強みだ。

竹田麗央の1Wスウィング

「芯に当たると、やわらかめの手ごたえがしますね」
ヘッドスピードは46m/sくらい。男子プロも賞賛する大きくパワフルなスウィング。「自分の動画を見て気付くこともある。トップが大きくなりすぎてないか、切り返しで下半身から動けているかなどを確認します」

>>後編はこちら

週刊ゴルフダイジェスト2024年8月6日号より