【キミこそ王子だ】Vol.328「夜10時までに寝るべし」コーチの教えを守って伸び続ける期待の中学生
雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王子候補は奈良県出身、御所市立大正中学校3年の石口寛樹くんだ。「関西アマチュアゴルフ選手権」で好成績を収めたスーパージュニア。武市が感じた“ゴルファーっぽさ”の正体とは?
今回の王子候補
石口寛樹さん
いしぐち・ひろき ●主な戦歴/2024 関西アマチュア選手権3位 ●ベストスコア/61(つるやCC西宮北C)) ●練習/毎日ショット2時間150球、パット1時間 ●トレーニング/毎日体幹トレーニング30分
父親に誘われ4歳からゴルフを始めた石口寛樹くん。全国大会の常連で以前から注目していた武市。そんな折、「関西アマチュアゴルフ選手権」で、中3ながら3位でフィニッシュ! 「これは、どうしても会わなければ」ということになり今回インタビューさせてもらうこととなった。
待ち合わせ場所の練習場で寛樹くんを見るや否や、武市はただならぬ雰囲気を感じ取った。
「いい意味で“ゴルファーっぽい”。感覚的なことだから説明するのは難しいんだけど、筋肉のつき方や質なのかなぁ。とにかく強い選手特有のオーラがある」
一見すると普通の中学生ゴルファーのように見えるが、話を聞いてみると、武市の直感は的外れでないことが分かった。
実は寛樹くんの師匠の西川智也コーチの教えは「寝る子は育つ」。
成長期には十分な睡眠時間が必要なので、「22時までに寝るべし」というアドバイスを守り必ず22時には就寝して5時に起床する生活を送っているそう。
「5時に起きて何するの?」
「ストレッチと体幹トレーニングやってから1時間パター練習です」
「スゴすぎる! その積み重ねや自信が寛樹くんのゴルファーっぽい体格やオーラの正体かもね」
実際、ここ1年で身長が12センチ伸び、おのずと飛距離もUP!!
「以前はパー5で2オンできませんでした。だから、自分は最初から4打ビハインドだと思ってプレーしていました。今は飛距離が伸びて2オンもできるようになりました」
そのドライバーショットを見た武市も「いいスウィングだね~」と絶賛した。
「ボクも経験あるけど、成長過程のスウィングって難しい。体が大きくなると、どうしても体を揺さぶって使って飛ばしたくなるでしょ。その結果、体重移動の加減や方法が狂ってきて、振り遅れなどの現象が出やすくなり、方向性も定まらず飛距離も出ない。その点、寛樹くんは上手に折り合いをつけ、いい感じに振っている。ダウンスウィングからの切り返しで、まず左足つま先に乗せて体を沈み込ませている。そこから、かかとを踏んで上に伸びながら体を回転させることで体が開くのを抑え、ヘッドを加速させることがちゃんとできている。グリップも左手を少しフックにしているけど右手がスクエア。だからフェース面を変えずにボールを叩きやすい。すべてがいまの寛樹くんにマッチしてる」
と拍手を送った。
飛ばない時期に磨いた小技に飛距離が加わり2倍にも3倍にも成長したという寛樹くん。
「近々の目標は『日本ジュニアゴルフ選手権』で優勝! 次はプロとなり賞金王を目指す。そして一番大きな夢は『マスターズ』での優勝です」
とビジョンを語ってくれた。
「スウィングの完成度が高いし、ゴルフと真摯に向き合っている姿も好感度大! これからも注目しているからがんばって」 とエールを送る武市であった。
週刊ゴルフダイジェスト2024年7月9日号より