【キミこそ王子だ】Vol.322 憧れはアーニー・エルス! 174cmの長身から260Y飛ばす北海道の逸材
雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王女候補は、北海道出身、北広島市立大曲中学校3年の根田うのさん。圧倒的な飛距離を武器に昨年の北海道ジュニアを制した逸材。中学生とは思えないスウィングを武市が解説する。
今回の王女候補
根田 うのさん
ねだ・うの ●主な戦歴/2023北海道ジュニアゴルフ選手権優勝 ●ベストスコア 65(エミナGC) ●トレーニング/体幹トレーニング ●練習/冬は週3日、夏は週5日、100~200球。それ以外は家で素振り&パター練習
中学3年生にして、身長174センチ。恵まれた体格を生かし、ジュニア屈指の飛ばし屋の根田うのさん。3歳でクラブを握ったときから、ずっと父親に教えてもらっている。
「お父さんはゴルフ上手なの?」
「たぶん普通の人よりは……」と謙遜するうのさんだが、よくよく話を聞いてみると、なんとお父さんの職業はレッスンプロ。かつては、加瀬秀樹プロのキャディをしていたこともあるそうだ。
「そりゃ上手なわけだ。とても中3には見えないレベルだもん」と武市。
スウィングは迫力満点! ドライバーの飛距離は260ヤードを超えるプロ並み。取材中、隣打席で練習していたオジさまも「女子プロですか?」と興味津々に質問してきたほどだ。
「どうやったら、そんなに飛ぶの?」
「特に飛距離を意識してはいませんが、父には『振れ!』と言われてます。あとはPGAツアーの動画が、参考になるので一緒に見てます」
「特に誰をチェックしてるの?」
「アーニー・エルス選手です。体は大きくてゴツイですが、スウィングが柔らかくて綺麗なので、カッコイイです」
「ビッグイージー(エルスの愛称)! 目の付けどころが違うね」
今どきの選手ではなく、往年の名選手に着目する、うのさんのセンスに武市は拍手を送った。そして飛ばそうとしていないのに、どうしてうのさんは飛ぶのか? 次のように解説した。
「ドライバーは、アッパー軌道で打つと飛距離が伸びるって言うでしょ。でも、これが意外と難しいんだよね。クラブを下から上へボールをすくい上げるのとは違うからね。それをナチュラルに実現しているのが、うのさん。ポイントは2つ。1つ目は、ダウンスウィングで右足を蹴り上げるのではなく、蹴らずに粘ることでヘッドの入射角が緩やかになること。2つ目は、174センチと高身長なのでフィニッシュが必然的に高い位置になること。この2つが、上手く作用して打ち出し角度を高くして、さらにバックスピン量が抑えられるから飛距離が出る。まさにお手本のようなボールのとらえ方だね」
「大きく育ててくれた両親に感謝です!」
「本当に羨ましい。何を食べたら、そんなに大きくなれるの(笑)」
166センチの武市が、見上げながら尋ねる。
「お鍋が大好きです。というより、ポン酢が好きでポン酢を食べたいからお鍋を食べているかもしれません」
そう答えてくれた彼女の笑顔からはポン酢愛があふれていた。推しのポン酢は「断然、ミツカンさん!」
とのこと。将来の夢は、もちろん世界で活躍するプロゴルファー。
その際は「ミツカンさんとスポーンサー契約を結び、ロゴマークをウェアやキャップに付けて戦いたいです」と言ううのさん。
夢が叶ったらポン酢で祝杯だね!
週刊ゴルフダイジェスト2024年4月9日号より