【ゴルフせんとや生まれけむ】 川中美幸<後編>「愛犬を連れてラウンドしてみたいです!」
ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、前回に引き続き、 演歌歌手の川中美幸氏。
40年もゴルフをやっていると、いろいろなことがあります。思い出すと面白かったりヒヤッとしたり。たとえば、昔、地方でお仕事をした後、プレーしたことがあります。そのとき、コースの植木のお手入れをされていた造園業の方だと思うんですが、おそらく今日、川中美幸がラウンドしていることを知っていたんでしょうね。草むらからすっと静かに現れて「二輪草」という私の曲をイントロからワンコーラス、ハーモニカで吹いてくれたんですよ。「美幸さんの大ファンなんです」って言われて、びっくりしましたが、やはりうれしかったですね。
あと、これは今思い出してもヒヤッとするんですけど、皆さんにも気を付けてほしいのでお話ししますね。とあるゴルフ場でカートを運転していたときのこと。アップダウンのあるコースでしたが、私は車の運転が好きだったのもあり、ちょっと油断していたのかもしれません。
急カーブを曲がり切れず、カート道を外れて下のほうに落ちてしまったんです。落ちる前にみんなカートから降りられましたが、カートは破損し、反省しきり。後日、コースに謝りに行きました。皆さんもカートだからと油断せず気を付けてほしいです。
海外でも何度かプレーしました。ニューヨークでプレーした際は、ブッシュがすごくてビックリ。日本のキレイなゴルフ場に慣れていたので「メンテナンスが行き届いていないなあ」と思ったら、当時のアメリカ、特にニューヨークのコースなんかだと、それが普通だったみたいです。なのに私ったら、コースにいた人に「ここのブッシュ、ひどいですよね。もう少しカットするとか何とかしないとゴルフになりません」って言ったんですね。そしたら、その方がゴルフ場のオーナーさんだったそうで、またも冷や汗をかきました。
ハワイでのゴルフも楽しい思い出です。プレーはもちろん、それ以上にハマったのがスパムのおにぎり。私は日本では見たことがなかった食べ物でしたが、間に挟まっているマヨネーズがおいしくておいしくて、感動しちゃいました(笑)。ただ、ハワイではスルーなのが残念。ゴルフって、お昼は何食べようかなって考えながら回って、ハーフ終わって前半はああだったこうだったと言いながらランチするのが楽しいじゃないですか。こうやって考えてみると、やっぱり日本のゴルフスタイルが私には合っているのかもしれませんね。
今後、どういうふうにゴルフと付き合っていこうかと考えることがあります。念願だった日本での“ゴルフ、温泉・食事、またゴルフ”というお泊まりプレーの夢は数年前に叶いました。ですから、これからは、いくつになっても健康でゴルフ場をしっかり自分の足で歩いていたい。まずはそれが夢。あ、あと、小倉智昭さんに犬をカートに乗せて一緒に回れるゴルフ場があると聞いたので、それも愛犬と体験してみたいですね。
ゴルフは健康なら年齢に関係なく、自分のペースで楽しめます。こんな素敵なスポーツはほかにはありません。これからもずっと“いいお付き合い”を続けていきたいですね。
川中 美幸
かわなか・みゆき。1955年生まれ。78年 川中美幸としてデビュー。「ふたり酒」「遣らずの雨」「二輪草」など多くのヒット曲を持ち、日本レコード大賞、全日本有線放送大賞など数々受賞。今年2月21日新曲「人生日和」発売。5月10日~19日、大阪松竹座にて松竹新喜劇に初挑戦
週刊ゴルフダイジェスト2024年2月13日号より